ケルト神話|湖から現れたエクスカリバー
悪を斬り倒し、アーサー王の激闘を支える魔剣
敵軍のみならず怪物や魔物もなぎ倒し、勢力を拡大していくアーサー王伝説は、まさに冒険活劇。魔力が備わった無敵の武器もアーサー王に大きな力を与えます。
ある戦いで敵に斬られそうになった若きアーサー王は、危ないところで魔術師マーリンによって命を救われます。
不甲斐なさに落胆するアーサー王はマーリンとともに湖へ赴き、魔剣エクスカリバーを手に入れようとします。湖の乙女に懇願すると、水面から腕とともに魔剣が現れ、アーサー王に授けられました。
エクスカリバーは、正しい者の前では鞘から抜けず、悪心を持った者には鞘からするりと抜けて斬りつけるという魔剣です。アーサー王の活躍には欠かせない武器となりました。
晩年のアーサーは、甥モルドレッドの反乱によって深い傷を負います。死期を悟り、エクスカリバーを返そうと湖へ向うアーサー王。家臣が水面に剣を投げ入れると、湖から腕が現れ、剣を掴んで沈んでいきました。
瀕死のアーサー王は舟に乗せられ、魔法の国アヴァロンにたどり着きます。ここにいたのは、憎しみあった姉の魔女モーガンでした。二人は和解し、アーサー王は永眠。そして、いつか再起する含みをもって物語は終結します。
モルドレッド:アーサー王の甥。敵軍サクソン人と密約してアーサー王を裏切り、死闘の末にアーサー王にとどめをさす。モルドレッドもアーサー王の槍に突かれて絶命する。
アーサー王を支える円卓の騎士
アーサー王に忠義を誓った騎士は、王も含め全員が対等であることを示す円卓を囲んだ(座席の数には諸説ある)。現在、国際会議が円卓で行なわれるのは、この平等の精神にもとづいている。
円卓の騎士エピソード① 双剣の騎士・非道な騎士
円卓の騎士結成前からアーサー王に仕えたベイリン。ベイリンは円卓の騎士が引き抜けなかった剣を引き抜いたことから、破滅の道を歩むことになる。
円卓の騎士エピソード② 円卓の騎士のリーダー
アーサー王の甥であり、アーサー王の右腕として活躍したのがガウェイン。朝から正午までは力が3倍になるという特性を持つ忠義の騎士。
円卓の騎士エピソード③ 妖精に育てられた騎士
中でも有名な騎士がランスロット。アーサー王をもしのぐと言われた人物で人望も厚かったが、アーサー王の妃への恋に思い悩む。これが発端となり、後にアーサー王と対立。王国分裂の一員となってしまう。
円卓の騎士エピソード④ 「悲しみの子」という名の騎士
中世ヨーロッパの散文『トリスタンとイゾルデ』で有名なトリスタン。ランスロットに並ぶほどの騎士で数多くの武勲を残したが、実ることのない悲恋で身を滅ぼしてしまったというエピソードがある。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』監修:鈴木悠介
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』
監修:鈴木悠介 日本文芸社刊
「全知全能のゼウスはどんな神?」「キレやすい海の神ポセイドン」「アフロディーテは魔性の美女」「知的な最高神オーディンとは?」人気コミックやゲームなどでも注目度が高い「世界の神々」。世界の神話に登場する神々の性格とストーリーをわかりやすく紹介します。
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公開日:2025.02.07