伸ばしたい相手がもっと実力を発揮する魔法
ただホメるより、けなしてからホメたほうがよい結果を生む
仕事がデキる人は、普段からホメられることが多いものです。
それだけに、もっと頑張ってほしいときなど他の項目で取り上げたようなホメ技を駆使しても、元々ホメ慣れしていることもあり、あまり効果が発揮されないことがあります。
そんなときには、少し趣向を変えて、まずけなすことからはじめてみましょう。
「○○さん、今日の商談のプレゼンであのひと言はいらなかったかもね」という具合です。ここで注意したい点は、相手がやる気を失うようなけなし方はNGということ。ちょっとだけ改善点を提案するくらいがちょうどいいのです。
いつもホメられているだけに、そんな反応があることに少し動揺するはずです。自信満々だった自分のやり方を少し見直すきっかけにもなるかもしれません。
そのタイミングで「でも、やっぱり○○さんのプレゼンは上手だね。他のみんなにも見習ってほしいよ」と今度はホメ言葉をかけるのです。
こんなふうに最初からホメられるより、けなされてからホメられたほうが相手に好意を抱きやすいことを、アメリカの社会心理学者のアロンソンとリンダーが実験で明らかにしています。評価してくれたあなたに好意を抱き、この人に認めらるようもっと頑張ろうという気になるのです。
最初にちょっとネガティブ 次にポジティブな声かけで実力発揮!
「〇〇さんのプレゼン資料は本当にわかりやすくてなによりとても美しいね!」
「そこはいつもみんなにホメられるポイントだな! まあコツをつかめば簡単なんだけどな」
「〇〇さんのプレゼン資料は色づかいがもう少し明るいといいね」(最初にちょっとネガ指摘)
「おや。そうだったかな…」
「でもやっぱりいつもわかりやすく簡潔にまとめられているので重要ポイントがスッと頭に入ってくるよ!」(その後にホメ言葉を!)
「よし、次回はもっとカラフルでわかりやすい資料を作るぞ!」
【出典】『白魔法の心理学』監修:渋谷 昌三
【書誌情報】
『白魔法の心理学』
著:渋谷 昌三
人間心理を40年以上研究してきた著者が導き出した心理学の真髄!相手の心を傷つけずに動かしたり、自分の身を守る“白魔法の心理学”を身につければ、誰でもストレス0で生きられる!
仕事、家族、友人、知人など、あらゆる人間関係でトラブルやストレスは付きものです。
いつもなんとなく笑顔で流しているけど、思い返してみると「あれ?あの発言って……」とイライラしたり、悲しくなったり、ということもあるかもしれません。
でも、優しい人ほど「何か言って相手を傷つけたくないし、自分は大丈夫」など、自分を納得させる理由を作ってしまいがち。
さらに、誰かに頼られたら助けてあげたいし、その人のためになるなら自分が多少つらくてもやってあげよう、と考える人もいます。でも、お礼も言ってもらえなかったり……。
そういったことを繰り返していると、知らないうちにだんだんと心が疲れている状態になっていることも。
そんな誰かを傷つけたくないけど、ストレス0で自分の心も楽に生きたい、という人に向けて、心理学を40年以上研究してきた著者がたどり着いた、周囲の人も自分の心も癒す”白魔法の心理学”を紹介します。
『NOメリットで相手に親切にしたら”好意の返報性”で100%親切が返ってくる』『悪口を言ってくる人には”自己開示の法則”で距離を縮めると悪口を言われなくなる』など、誰とでもコミュニケーションがうまくいくちょっとした心理テクニックが満載です。
人間関係に悩んでいたり、より良くしたい人にはぜひ読んで頂きたい一冊です。
公開日:2025.03.15
