貨物列車が日本であまり主流でない理由とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話】

高度経済成長期を境に輸送量が急減

鉄道輸送の利点は大きくて重たい荷物を運べることにあります。貨物列車で輸送されるものは、工業製品や石油類だけでなく、食品や宅配便など、私たちの生活に身近なものも含まれています。

鉄道貨物の起点となるのは、全国に約150箇所ある貨物駅です。ここにコンテナに入れた荷物が集められ、列車で各地へ運ばれていきます。コンテナは荷物を格納する箱のようなもの。鉄道コンテナや航空コンテナなど、高さ・幅・総重量の異なる複数の規格があります。また、入れた荷物を出し入れすることなく船舶・鉄道・自動車といった異なる輸送手段をリレー可能なインターモーダルコンテナ(複合一貫コンテナ)もあります。

日本における貨物輸送は、トラックを使った道路輸送が中心です。国土の広いアメリカなどの国々では長距離の貨物列車が主流となっていますが、日本はそれとは正反対。その理由は、高度経済成長期に道路網が整備され、機動性に優れるトラック輸送が選ばれるようになったためです。とはいえ、今後日本の貨物輸送運送が完全にトラック輸送に置き換わることもないでしょう。トラックドライバーの不足が叫ばれるなかで、鉄道貨物輸送は見直される時代になっているのです。

日本では鉄道より自動車がメイン

アメリカやカナダといった広大な国土を持つ国では、長距離列車を用いた鉄道貨物が主流となっています。一方、高度経済成長期に道路網が整備された日本では、トラックが主な輸送手段となりました。

インターモーダルコンテナとは

輸送手段には船舶・鉄道・自動車・航空といった種類があります。国際的な統一規格を持つインターモーダルコンテナを用いることで、異種の輸送手段を組み合わせながら、中身を取り出すことなく迅速に最終目的地まで荷物を届けることができます。

インターモーダルコンテナを説明する図

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』著:綿貫 渉

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』
著:綿貫 渉

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今まで知らなかった鉄道の世界を覗くことで、元々鉄道が好きな方はもちろん、そうでなかった方も、鉄道や交通に興味を持つきっかけとなる一冊です!

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