クマにもモーニングルーティンがある!? 季節によって変わるクマの生活【眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話】

クマの暮らしのルーティン 1日の行動&四季の変化

基本的に昼行性で夜は寝る

温帯や寒帯に生息するクマは、日中に活動し、日が沈んで暗くなると静かに休むのが基本です。ただし1日の活動は、季節に寄り添って少しずつ変化していきます。

冬眠から覚めたクマは、春は新葉や花、昆虫などを食べて体力回復に努め、夏になると涼しい時間帯に果実や昆虫を探して森のなかを歩き回ります。そして秋に木の実やドングリをたっぷり食べて脂肪を蓄えると、冬は巣穴にこもって冬眠するのです。母グマはこの冬眠の時期に子グマを産み、四季の移り変わりに身をゆだね暮らしています。

とはいえ、自然のなかでの暮らしは一様ではなく、環境に応じて行動を変化させないと生き延びることができません。

たとえば、東南アジアにマレーグマというクマの仲間がいます。クマはもともと昼間に活動する昼行性の動物。しかし、暑い地域に暮らす彼らは、太陽の昇る昼間を避けて夜間に活動することがあるのです。つまり、環境によって生活スタイルを変えているのですが、人の多い土地にすむクマが、人間との接触を避けるために夜間に活動するようになるのも同じこと。クマたちは時間と季節に合わせたルーティンを持つ一方で、このように環境に適応する柔軟さも持ち合わせているのです

都市近郊では生活を夜型に切り替え

クマのなかには、ゴミ収集の曜日や時間まで覚えて、ゴミが出る前夜を狙って行動する個体もいるのだとか。まるで都市の生活サイクルを読んでいるようです。

米コロラド州で行われた調査で、都市近郊にすむアメリカクロクマの多くが夜間に姿を現し、早朝には再び山に戻る夜型スタイルに切り替えていることが明らかになりました。彼らは光や音、人の気配などを敏感に察知して、いつが安全かを判断しているようです。

春夏秋冬に合わせた行動パターン

:新葉や花、昆虫などを食べる。
:涼しい時間帯に、果実や昆虫など食料を求めて森を歩き回る。
:ドングリなどの木の実をたっぷり食べ、冬眠に備えてエネルギーを蓄える。
:巣穴にこもって冬眠。母グマにとっては、大切な出産のタイミング。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』監修:山﨑晃司

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』
監修:山﨑晃司


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世界中数多くの動物園で飼育され、アニメや漫画、ファンシーキャラクターのモチーフとしても起用されることの多い人気の動物「クマ」。
最近では日本全国で目撃が相次いで発生したり、温暖化の影響で冬眠をしないクマも確認されたりすることから、話題に事欠かない今大注目の動物です。

しかし、ペットとして飼うことは難しく、ときに人を襲う恐ろしい側面も持ち合わせるクマ。
それなのになぜ人間にとって馴染み深く身近な存在に感じるのでしょうか。

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愛玩動物、猛獣、食用、ワーキングアニマルなど、さまざまな角度からクマの生態と特徴を解説し、クマの知られざる魅力に迫ります。
これを読めばクマのことがもっと好きになること間違いなしの一冊です。

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