空を一様に灰色に変える、メリハリのない雲「高層雲」の特徴とは【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

空を一様に灰色に変える、メリハリのない雲

高度2,000~7,000mのところに浮かぶ雲で、空の広い範囲をべったりと覆います。

雲の隙間はほとんどなく、一様に灰色で色ムラは目立ちません。 雲に模様ができたとしてもコントラストは弱く、いまひとつ立体感に欠けます。

比較的薄い高層雲では、雲越しに太陽や月が見えます。しかしその輪郭はおぼろげです。

太陽は輝きを失い、地面に影はできません。

空全体を覆うと灰色一色の曇り空に

高層雲が空全体を覆うと、灰色一色の曇り空となります。雲が比較的薄いときは、明るめの曇り空となり、それを「高曇り」といいます。一方で厚みのある高層雲では、昼間でも薄暗い曇りとなります。

雲がしま模様になっている。しかし、コントラストが弱く目立たない。

パラパラ程度の降水を伴うことも

高層雲と乱層雲はしばしば連続していて、どちらも見た目はよく似ています。 一般的な目安として、降水があれば乱層雲、なければ高層雲です。しかし高層雲下は必ず無降水というわけではなく、ときに雨や雪、凍雨を降らせることがあります。ただ、高層雲からの降水はパラパラ程度にすぎず、本降りのときは乱層雲と判断します。

【出典】『最新の国際基準で見わける 雲の図鑑』著:岩槻秀明

【書誌情報】
『最新の国際基準で見わける 雲の図鑑』
著:岩槻秀明


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