道民なら知っている? 本州では見られない北海道タコグルメ“たこぼっち”とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話】


新鮮じゃないと食べられない『たこまんま』&『たこ頭』
奥が深い北海道のタコ食文化
北海道でもっとも多く消費されているタコは「マダコ」や「イイダコ」ではなく、東北地方以北の海に広く生息する「ミズダコ(北海タコ)」です。このミズダコの頭(胴体)が、道民の間では「安くておいしい」食材として好まれています。
ミズダコの頭は「たこぼっち」「たこ頭」などと呼ばれ、主に刺身や寿司、燻製として食べられています。北海道ではタコの頭が飲食店で提供されるだけでなく、スーパーでも売られています。
ミズダコの頭を北海道以外であまり見かけないのは、「世界最大のタコ」であるミズダコの頭は大きすぎて流通に適さず、さらには水分が多く鮮度落ちが早いことが要因です。そのため、ミズダコの「足」は近年、北海道以外の地域でも一般的な食材になりましたが、頭は現在も、その多くが道内で消費されています。
北海道にはほかにも、道外の人にとっては珍しい「タコグルメ」があります。その一つが、主に北海道の太平洋側で水揚げされるヤナギダコの「卵巣」です。この食材は楕円形をしており、ゆでると白く米のような見た目になることから「たこまんま」と呼ばれています。「たこまんま」は、北海道では刺身や寿司のネタ、醤油漬け、塩辛などとして食べられていますが、「たこぼっち」同様に足が早いことから、道外で生食用の「たこまんま」が流通することはほとんどありません。
北海道のタコ水揚量と食文化
日本一のタコ水揚量
北海道のタコの水揚量は全国の6割以上で日本一です。北海道ではミズダコが水揚量の約7割を占め、残りの約3割はヤナギダコです。
令和5年(2023)の都道府県別タコの漁獲量および割合

北海道の「タコグルメ」

ミズダコを昆布出汁で食べる稚内の郷土料理。
【タコささめ】
小平町には、タコザンギ(唐揚げ)やタコささめ(エラ)、タコまぶた(目の軟骨)など、タコの希少部位を食べる文化があります。
【たこまんま】
ヤナギダコの卵巣「たこまんま」は、道東を中心に食べられている珍味。
【たこぼっち(たこ頭)】
ミズダコの頭(たこ頭)の寿司。道外ではあまり見られない定番グルメ。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話』監修:和田 哲
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話』
監修:和田 哲
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