【野球ごはん⑱】コンビニエンスストアの活用について≪令和版≫

 選手にとってコンビニエンスストア(コンビニ)は、練習の行き帰りなどに毎日1回以上立ち寄るほど、生活に欠かせないものになっています。最近のコンビニは、品揃えが豊富になり、食事、補食として商品を選びやすくなりました。しかし、これらの商品を「なんとくなく」「気分で」選んでいませんか?
 強い身体を作るために、「気分で」選ぶのではなく、「強い身体をつくるために、これを買う」「カルシウムを補給したいから、これを買う」と頭の中で整理してから入店したいです。そして、お店に入ったら店内を一周して、自分の探しているものがあるか、頭の中で組み合わせてから購入しましょう。コンビニで商品を選ぶ時も「基本の食事の形(主食、主菜、副菜、乳製品、果物)」に沿って組み合わせましょう。

主食の選び方

 おにぎり、電子レンジご飯、手巻き寿司、パン、サンドイッチ、めん類、バナナなど。
 電子レンジご飯は、簡単に調理しやすく常備もしやすいため便利です。おにぎりや手巻き寿司は、鮭や梅、納豆巻きなどシンプルな具がいいでしょう。脂質が気になる場合は、カルビやツナマヨなどのマヨネーズを使った具、油を多く使ったチャーハン類は避けましょう。
 パンは、ロールパン、ジャムパンなどシンプルなものがお勧めです。クロワッサン、デニッシュパン、メロンパンなどは脂質が多いため、1回の食事で1個までにしましょう。補食で使う場合は、1つの袋に複数入っているスティックパンなどは、量を調節しやすく仲間と分け合えるものがお勧めです。サンドイッチは、野菜、ハムサンドがよいでしょう。ポテトサラダや玉子サンドはマヨネーズを多く使っているため食べ過ぎに注意してください。
 めん類は、冷蔵・冷凍コーナーで売られている「ノンフライめん」「生めん」「冷凍めん」など揚げていないタイプを選びましょう。冷凍めんは、半分に割るなど量を調整しやすいです。焼きそば、焼うどんなどの油を多く使ったものは、体脂肪量を減らしたい時には控えましょう。パスタはソースの種類に注意しましょう。ホワイトソース、ミートソースは脂質が多めです。和風ソース、トマトソース、ぺペロンチーノがお勧めです。パスタの量が多いタイプもあります。量が多い時は、仲間と分け合うといいでしょう。

コンビニで買える主食

主菜の選び方

 ゆで卵、温泉玉子、納豆、チキンサラダ、焼魚、ちくわ、豆腐、魚肉ソーセージ、缶詰類など。
 以前に比べて種類が増え、選びやすくなりました。主菜を複数組み合わせる場合、肉料理ばかりに偏ると脂質を取り過ぎることがあります。「肉料理+肉料理」ではなく、「肉料理+肉料理以外の料理」を組み合わせましょう。例えば、「から揚げ+ハンバーグ」(肉+肉)ではなく、「から揚げ+ゆで卵」「から揚げ+納豆」などにしましょう。

副菜の選び方

 野菜サラダ、野菜炒め、和え物、煮物、汁物など。
 緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリー、人参など)や、食物繊維の多い食品(大根、きのこ、ワカメなど)を含む商品を選びましょう。例えば、野菜サラダ、海そうサラダ、青菜の和え物・ソテー、スティックサラダです。煮物、和え物、汁物は加熱によって野菜のかさが減るため、量を多くとることができます。季節商品になりますが、鍋料理やおでんもお勧めです。

果物の選び方

 店舗によりますが、バナナ、みかん、りんごなどが販売されていることがあります。カットフルーツも見かけるようになりました。果物は、スナック菓子やケーキに比べるとエネルギー量が少ないのでお勧めです。また、冷凍食品のコーナーにマンゴーやブルーベリーなどの冷凍果物もあります。ヨーグルトやシリアルに加える、ミキサーに牛乳など一緒に混ぜたミックスジュースにするなど利用しやすいです。果物が売られていない場合は、果汁100%ジュースを組み合わせてください。特にオレンジジュース、グレープフルーツジュースは、体の調子をととのえるビタミンCを多く含んでいます。

コンビニで買える主菜・副菜・果物

お弁当の選び方

 幕の内弁当は、主食、主菜、副菜が詰め合わせられていますので、栄養バランスをとりやすいです。幕の内弁当に入っているご飯の量は150~200g前後です。ごはんの量が足りない場合は、おにぎりやサンドイッチ、バナナなどを汲み合わせましょう。野菜のおかずが少ない場合は、サラダや汁物を組み合わせましょう。

コンビニの幕の内弁当

デザートの選び方

 ゼリーやプリンは、1個が250~300gと、以前に比べて大型化になり、糖分を多く取りやすくなっています。糖分を取り過ぎると、体脂肪が増えやすくなるため注意が必要です。 選ぶときば、できるだけ小ぶりのもの、3個1パックになっているものを選びましょう。また、クリームをたっぷり使ったものではなく、シンプルなものを選びましょう。クレープやケーキなどは、「頑張った日」「試合に勝った日」などのご褒美として楽しみ、食べ過ぎに気をつけましょう。

 1食分をコンビニでそろえると、1,000円以上かかることもあり、選手のお小遣いにとって負担になる場合があります。出かける前に家から持ち出せる食品がないか確認しましょう。例えば、ごはんやパンを家から持参し、メインのおかずや野菜のおかずをコンビニで購入する。卵があれば、ゆで卵にして持参し、ごはんやおかずをコンビニで補う。こうした工夫により、お小遣いを節約しながら、栄養バランスのよい食事・補食をとることができます。

 「食品添加物が気になる」と相談を受けることがあります。食品添加物は、コンビニの商品だけでなく、スーパーのお惣菜や冷凍食品、加工品、飲料など、さまざまな食品に使われています。添加物は、食品の保存性を高めたり、味や見た目をよくしたり、食中毒などのリスクを減らすといった目的で使われています。安全性については、厚生労働省が食品安全委員会の評価に基づいて、「健康に悪い影響がない」と判断されたものだけが使用を認められています。さらに、国は実際にどのくらいの量が食べられているかを調べ、安全が保たれるようにしています。最近では、健康を意識する人が増え、食品メーカーもできるだけ添加物の使用を減らすようになっています。気になる場合は、商品のラベルを見て、なるべく添加物の少ないものを選んだり、家から食品を持ち出し、コンビニやスーパーなどで購入する量を減らしたりする工夫もよいでしょう。

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