スーパーでの米の価格は誰がどう決める? 米価の仕組みを解説【眠れなくなるほど面白い 図解 米の話】

米の価格はどのように決まる? 取引のしくみを知る

店頭価格が決まるまでのプロセスは?

私たち消費者は米が「高くなった」「安くなった」と感じることはあっても、その背景にどんな取引があるかまでは知らないものです。そこで、取引の舞台裏をのぞいてみましょう。

生産者である多くの農家は、農協(JA)などを通じて米を出荷します。このとき農家は「概算金」と呼ばれる一時金を受け取り、のちに市場価格が決まると差額を精算するしくみになっています。ただし精算時期や契約条件は地域や取引によって異なり、米価の上昇がそのまま農家の収入増につながるとは限りません。

このルートで出荷された米は、精米業者や卸売業者を通って物流に乗り、スーパーや量販店などの小売店に並びます。こうした流通の過程にもコストが発生し、それが最終的な店頭価格に反映されます

一方で、市場を通さず、農家が直接消費者や飲食店などに販売する「直販」もあります。この場合は農家自身が価格を設定できるため、市場価格の変動に左右されにくく、ブランド米などでは高値で安定的に売られることもあります。

ちなみに米価は、不作や需要増加のときに上がり、豊作や在庫過多のときに下がる傾向があります。こうした取引のしくみを知ることで、普段手にする米の価格の裏側が少し見えてくるかもしれません。

店頭価格が決まるまでの流れ

①農家:収穫した米は農協(JA)などに出荷し、契約により「概算金」という一時金を受け取る
②農協(JA):入荷された米は、JA が品質を確認して卸売市場へと出荷
③卸売市場:卸売市場で米の取引価格が決まり、相場に応じた価格で販売
④卸売業者・精米業者:仕入れた米を精米・包装など加工
⑤小売店(スーパー・量販店など):加工された米は、販売コストや輸送費などを加味して店頭価格が決定
⑥消費者:私たちの食卓に届く

もうひとつのルート「直販」

農家が消費者や飲食店に直接販売するケースもあります。

米価はどう決まる? 何で動く?

収穫量の変化

不作の年には供給が減って価格が上昇、豊作の年は逆に価格が下がる傾向があります。

需要の変化

訪日観光客の増加や、米食ブームなどによって需要が伸びると、価格が上がることがあります。

在庫量と備蓄状況

状況政府や流通業者が保有する在庫が多ければ、価格の急騰は抑えられます。

天候や災害の影響

猛暑や水害は収量・品質に影響し、相場が動く原因となります。

店頭価格に反映されるのは「米価」だけじゃない!

精米コスト・人件費・輸送費、小売業者のマージン、為替や燃料価格の変動なども加味されて、私たちの手に届く「店頭価格」が決まります。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 米の話』著:トキオ・ナレッジ

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