広島原爆の約3300倍の威力
人類史上最も威力のある核爆弾は旧ソ連が開発した「ツァーリ・ボンバ」です。核爆弾の皇帝とも呼ばれ、その威力は広島に投下された原子爆弾「リトルボーイ」の約3300倍とされています。
ツァーリ・ボンバは冷戦時代に開発され、1961年10月30日に北極のノヴァヤゼムリャで実験されました。弾8m、直径2mの核爆弾はあまりにも威力が強すぎるため、出力を落として実験されました。
それでも致死域は半径6.6㎞、爆風によって殺傷できる範囲は23㎞で、爆発による衝撃波は地球を3周したといわれています。
東京に投下されれば日本は壊滅
仮に東京に投下された場合は、都内全域はすべて焼け野原になります。神奈川、千葉、埼玉だけでなく、宇都宮、静岡あたりまで爆風でガラスが割れ、日本全体が壊滅状態になります。死者は1000万人を下らないともいわれています。
この実験は世界を震撼させ、今後このような実験を行わないよう、100か国以上が協定に署名しました。
ツァーリ・ボンバは現存していません。そして以降、ツァーリ・ボンバを超える核兵器は開発されていません。
当時の技術でも日本列島ひとつを壊滅状態にさせるほどの威力を持った核兵器ですから、これ以上の開発が進み、もし使われることがあったとしたら、おそらく人類の歴史は終わりを告げることは間違いないでしょう。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 地政学の話』
著:荒巻 豊志
シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「地政学」について分かりやすく解説した一冊。「地政学」とは、地理的な条件が国家の政治、経済、軍事に与える影響を研究する学問。歴史的背景も関わり、国内・世界中で起こっている諸問題解決の糸口となる、まさに現代に最も必要な知識である。ニュースではよくわからない国際情勢と世界で起こっている現状が見えてくる!
公開日:2020.11.19
オススメ記事
PREVIEW
日本はなぜ、核兵器禁止条約に参加しないの??【地政学の話】