【友利新先生】大人の女性から絶大な支持を得る友利先生が語る、小学生のスキンケア。早いうちから正しい知識を得て、いつまでも健やかな肌へ*インタビュー後編

YouTubeチャンネル登録者数も166万人超と大人気の皮膚科医・友利新先生に、子どものスキンケアについてお話を伺いました。メイクは子どもには早いと感じても、いずれは習慣化していくものでもあるから、その土台となるスキンケアの必要性を子どものうちに伝えたいという友利先生。後編では、基本を知る大切さ、友利先生が情報発信をする理由なども伺いました。
取材・文:酒井絢子
自分の肌に自分で向き合うための入門本として、手に取ってもらいたい
――友利先生監修の書籍『No.1おしゃれ ヘアメイク&スキンケアLesson』(日本文芸社)が2025年9月に発売されましたが、この本のターゲットは小学生。大人の女性へ向けた活動が多い友利先生が、このような本に携わった理由を教えてください。
友利先生:うっかり見落とされがちですが、皮膚も人体にとって重要な“臓器”ですから、年齢を問わず健康を維持すべき一生ものです。
早いうちから正しいケアをして健やかな肌を守っていけば、SNSの誤情報などに惑わされたり、無茶なケア方法を取り入れたりと逸脱することはないんじゃないかなと思っていて。
子どもたちが肌と向き合うときの入門本として、手に取ってもらえる本になればいいですね。
楽しく読みながら知識を身につけてもらえたら、いずれ本格的にメイクをはじめる年頃になったときに「そういえば、あのときに基本を知っていてよかったな」と思えるはずです。

乾燥、摩擦、日焼けは年齢問わずNG。子どもには「どうしてダメなのか」をしっかり伝えたうえでケアの仕方を教えてあげて!
――親世代は、自分が若い頃にあればよかったと思うような本ですね。
友利先生:子どもは素直だから、初めて得た知識が正しいと思い込みがちですものね。私がメイクをはじめたばかりの頃もまさにそうでした。
スキンケアやメイクは、学校の勉強と違って、何が正解なのか誰も教えてくれない。だからこそ、正しい知識を身につけたうえで、自分に合ったアレンジをしていただくのがいちばんいいのかなと思って。
――保護者が導いてあげなきゃいけない部分もあるかとは思いますが、正直なところ大人でも何が正しいかわからないときもありますよね。
友利先生:どんなメイクやスキンケアがいいかを自分で判断するためにも、知識は必要。毎回誰かに聞くわけにもいかないので、『No.1おしゃれ ヘアメイク&スキンケアLesson』を参考にしてもらえたらいいですね。
子ども自身だけでなく、お母さんたちが「これでいいんだっけ?」と思ったときの答え合わせにもなるかなと思っています。
子どもには子ども専用のスキンケア用品を用意してあげて
――子どもが興味を持ちはじめたとき、親の化粧品を使うこともあると思います。それが子どもにとって悪影響になることもあるのでしょうか。
友利先生:親世代は皮脂の量も少ないし、水分を維持する能力も低いので、化粧品もそれらを補うようにできているんです。
余分な油分は毛穴の詰まりにつながったりもするので、ニキビやテカリが気になるときには使わないほうがいいですね。
ただ、ニキビができやすい時期の第二次性徴期がまだはじまってない子どもたちには、ほとんど影響はないはずです。でも、性ホルモンが出ていない第二次性徴期以前は全身が乾燥しやすいので、顔だけじゃなくて体全体を保湿してほしい。そこで大人のお高めのクリームとかを使われちゃったら、もったいないでしょう。
だから、私には私の、あなたにはあなたのと、それぞれ専用品を用意したほうがいいと思います。

「ふだんの生活にスキンケアを取り入れるには、日焼け止めを玄関に、保湿剤をリビングになど、子供の生活導線上にケア用品を置いておくのもおすすめ」と友利先生。
――シャンプーなども同様ですか?
友利先生:カラーやパーマでダメージを受けているわけではない子どもの髪にとっては、余計な成分が多いかも。整髪料でスタイリングしている子は別ですが、大人用だと洗浄力が強く皮脂を取り過ぎちゃったりして頭皮にかゆみが起こることもあるので、できれば子ども用のなかから選んだほうがいいと思います。
自分に合うものを選び取れたら、ケアすることがもっとハッピーに
――大人も子どもも、自分に適したものが何か見極めることが大切なんですね。
友利先生:SNSで見かける子って、みんなかわいいけれど、実はありえない部分も多いんですよね。毛穴がないとか、瞳が大きいとか。
また、きれいの基準って、国が違えば全然違うし、年代も違えば全然違うじゃないですか。
ありえない理想を追って心が疲れてしまうのはよくないし、きれいやかわいいは一つじゃないよっていうところも伝えたい。
いまどきの子は、色白なほうがいいし、痩せてなくちゃいけないし、髪の毛も真っすぐがいいし……と、いろいろと縛り付けられていそうだけど、どんな子も基本は健康! 見た目づくりもまずは健康からだよと、言い続けていきたいと思います。

友利先生は毎日子どもに「ママは、あなたをいちばんかわいいと思ってるよ」と言っているそう。自己肯定感を高め、自分らしさを大切にする子育てを実践中!じぶんだけの「かわいい」を見つけて自己肯定感を高めよう!
――医師としてのお仕事や3人のお子さんの子育てでお忙しいなか、YouTubeなどで発信も続ける友利先生の、パワーの源を教えてください。
友利先生:私は沖縄の宮古島で育って、情報も流行も一足遅れて知るような子ども時代だったからこそ、自分自身で正しい知識を得ようとする姿勢が身についた気がするんです。
今のSNSの情報やネットでのお買い物はとても便利だけれど、知らぬ間に間違った方向へ進んでしまう危険性もはらんでいますよね。そんな莫大な情報量のなかから本当に自分に合うものだけを選び取っていけたら、一人ひとりがハッピーになれると思うので、そのためのお手伝いをしたいと思っていて。
根本にあるのはみなさんに健康的なライフスタイルを送ってほしいという医師としての願いです。
診察室では一対一だけれど、メディアなら一対一千人にでも、一対一万人にでも、正しい知識を伝えることができるから。
「肌の調子がよくなりました」「子どもと楽しく学んでいます」といった声が一番のモチベーションになっています。
スキンケアでお肌の健康を意識することは、“自分自身を大切にしよう” という子育てのメッセージにもなりそう。信頼できる本やメディアをガイドラインに、親子で学んでいけるといいですね。
【監修者紹介】
友利 新(ともり・あらた)

沖縄県宮古島市生まれ。東京女子医科大学卒業。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科医に。現在は、都内のクリニックで勤務しながら、テレビ、雑誌、SNSなどで健康や美容に関する情報を発信している。著書に『女医が教えるキレイのとっておき読む友利新チャンネル』(飛鳥新社)、監修に『皮膚科医友利新先生が娘に伝えたい美容の話』(小学館)など。
YouTube:youtube.com/@aratatomori/join
【取材・文】
酒井絢子(さかい・あやこ)
フリーランスライター。クラフトからキャリア系までジャンルは問わず幅広く執筆活動中。
【書誌情報】
小学生女子に大人気〈No.1シリーズ〉
『No.1おしゃれ ヘアメイク&スキンケアLesson』
監修:このみ、友利新
自分だけの「かわいい」を見つけよう!
「わたし」という素材の魅力を活かして輝く方法がわかれば、自分をもっと好きになる
毎日がもっと楽しくなる
全編ふりがなつき。マンガ、イラスト、読み物でわかる!
メイク、ネイル、ヘアアレンジ、スキンケア、トータルコーディネートなど、おしゃれへの興味がとまらない小学生女子が知りたい基本とコツ、メイクをするときのお約束をまとめた1冊です。
〈No.1シリーズ〉最新刊!
『No.1感動 きずなの伝記物語』
編:女の子の伝記物語研究会
マンガ×イラスト×読み物でわかる!
強いきずなで結ばれ、偉業をなしとげた、5組の女性たちの伝記物語
【ともに医療に挑戦しつづけた】
ブラックウェルとナイチンゲール
【親子で科学の未来を切り開いた】
母マリー・キューリとイレーヌと、娘イレーヌ・キューリー、エーヴ・キューリ
【裏切りの戦国時代につづいた友情】
おねとまつ
【『若草物語』にこめられた思い】
オルコット姉妹
【大自然のなかで心を通わせた】
ジョイ・アダムソンとライオンのエルザ
紹介人物にまつわる地理・歴史の解説ページも多数用意!
偉人たちのお話で心が動いたあとは、その人生や功績への理解が深まる充実のコラムを楽しめます。
【取材・文】
酒井絢子
フリーランスライター。クラフトからキャリア系までジャンルは問わず幅広く執筆活動中。


