【驚きの子育て】カビによって絶滅したカエルの生態とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話】

絶食しながら胃の中で子育て「イブクロコモリガエル」

【イブクロコモリガエル DATA】
分類:両生類
絶滅時期:1983年  
生息地:オーストラリア

感染症で皮膚呼吸ができなくなった

イブクロコモリガエルは、オーストラリア北東部に生息していた体長3〜5cmほどの小さなカエル。見た目はごく普通のカエルですが、その子育ての方法は、世界中の研究者を驚かせました。なんと、このカエルは「胃の中で子どもを育てる」習性を持っていたのです。

メスは産卵の後、オスが受精させた卵を自ら飲み込みます。胃の中では消化液の分泌が止まり、卵は安全に育っていきます。オタマジャクシは胃の中で成長を続け、やがて手足の生えた小さなカエルになると、母ガエルの口から外の世界へと飛び出します。育児を終えた母親の胃は、再び元の状態に戻り、普通に食事ができるようになるのです。

しかし、この不思議なカエルの運命はあまりに儚いものでした。もともと限られた湿地や森林にしか生息していなかったうえに、人間のダム建設や伐採によって環境が急速に失われていきます。そこに追い打ちをかけたのが「ツボカビ症」と呼ばれる感染症でした。この病気は皮膚呼吸を行うカエルにとって致命的で、皮膚にカビが広がると呼吸ができなくなり、次々と命を落としていきました

こうして、イブクロコモリガエルは1983年に絶滅。原因は人間が持ち込んだカビによるものと考えられています。

驚異の子育て「胃の中のゆりかご」

卵を飲み込んだ親ガエルは、胃酸の分泌が止まります。その後、胃の中でオタマジャクシが育ち、手足が生えてくると、親ガエルの口から子ガエルが飛び出します。

病が奪った命「ツボカビ症の拡大」

イブクロコモリガエルは、豊かな湿地に暮らしていました。

人間が持ち込んだと見られる「ツボカビ菌」が生息地に広がります。

カビによって皮膚呼吸ができなくなって次々に命を落とし、ついには絶滅しました。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話』監修:今泉忠明

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話』
監修:今泉忠明


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絶滅動物の話!

40億年に及ぶ地球のヒストリー。
その中で繰り返されてきた生き物たちの絶滅。
もはや私たちが出会うことのかなわない彼らのあまりに興味深いエピソードを紹介。

絶滅とは何か。
「弱いから」滅び、「強いから」生き残るわけではない。
なぜ彼らは滅び、また生き残ったのか。

我々人類こそが絶滅の原因だった生き物たちもいる。
発見から30年もたたずに食い尽くされたステラーカイギュウ。
人類が現れるまで無敵だった巨大ナマケモノ、メガテリウム。

あるいは進化の果てに潰えた者たち。
さすがに大きくなりすぎたジャイアントペンギン。
肉食をやめたら生活が合わなかったアルクトテリウム。

環境や競争に敗れた末、絶滅の運命をたどることもある。
たどり着いた最後のすみかが噴火で沈没したオオウミガラス。
クローンで復活するも「2度の絶滅」をしたピレネーアイベックス。

絶滅は過去のできごとではない。
種の断絶が危ぶまれる生き物は、我々が生きるこの世界にも存在する。
トラ、オオサンショウウオ、ヤンバルクイナ、ホッキョクグマといった
絶滅危惧種がそれだ。

絶滅といえばこれ、謎多きニホンオオカミや「最後の1頭」が2012年に死亡したピンタゾウガメも。
触れれば触れるほど知りたくなるもう永遠にいなくなってしまった、いつかはいなくなってしまうかもしれない彼らの物語。
ひょっとすると、人類もいつかは……?

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