笠松競馬場の所属で、全国のダート猛者達と戦い続けた牝馬
2歳女王を決める阪神JFで、白毛馬初となるGⅠを奪取したソダシに続けと、12月16日は川崎競馬場で2歳ダート王者を決める、「全日本2歳優駿(JpnⅠ)」が開催される。
1997年に指定交流となってから、勝ち馬名に「アグネスワールド」「アグネスデジタル」「トーシンブリザード」「ユートピア」など、名馬の名前がズラリと並ぶ。
ただし、近10年となると古馬になってから活躍する馬が少ない。
2010年から昨年までの2019年までの10年間で、全日本2歳優駿以降に1勝も出来なかったのが4頭もいる。
やはり2歳という年齢から、この時期に重賞を勝てるというのは完成度が高いぶん、伸びしろはあまりない馬が多いと考えられる。
今年もJRAからは3連勝中の「デュアリスト」、すでに6戦している「バクシン」など計5頭がスタンバイ。
地方所属馬も強力で、JBC2歳優駿を勝った「ラッキードリーム」、ハイセイコー記念勝ち馬「アランバローズ」、鎌倉記念勝ち馬「リーチ」など、2歳チャンピオンを獲るべく虎視眈々と狙っている。
完成度で言えばデュアリストだが、1600mの距離対応に不安が残る。
そう意味では、JBC2歳優駿勝馬のラッキードリームに分がありそうだが、今年はどんな結末が待っているのか!?
ここで、全日本2歳優駿(JpnⅠ)を勝った名馬を1頭紹介しよう!!
2009年勝ち馬「ラブミーチャン」
2008年にDr.コパこと小林祥晃さんが馬主として所有。
2009年に笠松競馬場でデビューすると無傷で全日本2歳優駿を制覇する。
しかし3歳になると、5月に距離1200mのエトワール賞(門別)を勝った後、不調に陥る。その理由として適距離が1200m以下であったため、この時期はまだ適距離とは違う1400~1600のレースが多かったためと思われる。
4歳になると、適距離に合わせて1200m以下で走るようになり、徐々に復活していく。
5歳では、全日本2歳優駿以来となる2年10ヶ月ぶりに、東京盃(JpnⅡ)で交流重賞を勝利。その勢いでJBCスプリントに臨むも、その年は川崎競馬場開催で距離が1400mと、ラブミーチャンにとって不利な距離で9着完敗となる。
翌年、6歳になると東京スプリント(JpnⅢ)、クラスターカップ(JpnⅢ)と交流重賞で2勝を挙げるなど絶好調だったが、調教中に骨折し悲願のJBC(JpnⅠ)制覇の前に現役引退となる。そして、現在は繁殖牝馬として生活している。
さあ今年の全日本2歳優駿はJRA勢か!? 地方勢か!?
発走は、12月16日 川崎競馬場 11レース 20:10予定。
公開日:2020.12.15