「もう限界!」と叫ぶ前に。感情だけで離婚届を出すと一生後悔する!?弁護士が教える「心の整理」と「鉄壁の準備」を徹底解説

夫の顔を見るだけで動悸がする」「価値観が違いすぎて、同じ空間にいるのが苦痛」――。 長年連れ添った夫婦であっても、積み重なった不満が限界を超え、離婚の二文字が頭を離れなくなる瞬間があります。しかし、ここで一時的な感情に任せて「離婚してください!」と叩きつけるのは、実は最も危険な行為です。

離婚は、結婚の何倍ものエネルギーを要する人生の重大事業。感情だけで動いて準備を怠ると、その後の生活資金、住まい、そして子どもの将来において、数百万円単位の損失や取り返しのつかない後悔をすることになりかねません。

今回は、弁護士の森元みのり氏が監修し、悩める多くの女性のバイブルとなっている『増補改訂版 前向き離婚の教科書』に基づき、離婚貧乏にならないために絶対にやっておくべき「心の整理」と「鉄壁の準備」を徹底解説します。

その悩み、山田家と同じでは?「家庭内離婚」という現実

本書に登場する山田真紀さん(36歳)は、パート勤めをしながら家事と育児に追われる日々を送っています。夫の武史さん(40歳)は会社では切れ者ですが、性格は神経質で細かく、真紀さんの家事や金銭感覚にいちいち口を出してきます。

「誰のおかげで生活できていると思っているんだ」「主婦としての自覚が足りない」といった夫の言葉に、真紀さんはストレスを溜める一方です。家での会話はほとんどなく、武史さんが一方的に真紀さんをなじるだけ。気持ちの上では、すでに「家庭内離婚」の状態に陥っています。

このような状態で「もうダメかな」と思い詰める人は多いですが、ここですぐに「離婚してください」と切り出すのは、戦略的ではありません。まずは冷静に自分の心と向き合う必要があります。

自分の本音と未来を見極める「2つの確認シート」

離婚という大きな決断を下す前に、まずは自分の気持ちを客観視する必要があります。「❶自分の気持ち(過去・現在)」「❷離婚後のライフプラン(未来)」の2つのシートを使って、心の棚卸しをしていきましょう。

確認シート1:自分の気持ち

まずは、現在の感情が一時的なものなのか、修復不可能なものなのかを見極めます。

夫への気持ち(過去 vs 現在) 「結婚当初」と「現在」の相手へのプラス面・マイナス面を書き出して比較します。かつての愛情を思い出すことができるか、再構築の可能性が残っているかを冷静に判断する材料になります。

離婚したい理由の深掘り 具体的な理由(性格、暴力、金銭感覚など)は何か、いつから始まったのか。そしてそれは、話し合いや努力で「解決・解消できるものか」を自問します。

迷いの正体を突き止める 離婚に踏み切れないブレーキの原因(経済力、世間体、子どもなど)は何か。それは時間が経てば解消されるものかを確認します。

確認シート2:離婚後のライフプラン

次に、離婚後の生活が現実に成り立つのか、シミュレーションを行います。

子どもの生活 子どもに離婚理由をきちんと説明できるか、必要な教育費をどう工面するか。

お金の現実 当面の生活費は確保できているか、自分の1か月の生活費(家賃、食費など)がいくらかかるか把握できているか。

生活の基盤 離婚後の「住む場所」と「仕事・働き方」を具体的に書けるか。また、心の支えとなる相談相手はいるか。

これら全てを書き出し、見直した上で「やはり離婚して新しい人生を歩みたい」と確信できたなら、相手との話し合いを進めてみましょう。

離婚は計画的に!決意する前のToDoリスト

離婚を決断したなら、相手に切り出す前に「鉄壁の準備」を整えましょう。事前の準備こそが、離婚後の自立した生活を守る鍵となります。

① 離婚の理由を明確にする

協議(話し合い)や裁判を有利に進めるために、離婚理由を裏付ける証拠が必要です。 性格の不一致が理由であっても、日々の暴言や冷淡な態度を日記に記録しておくことが有効です。

もし不貞(浮気)やDVがある場合は、写真、動画、医師の診断書、LINEの履歴、音声録音など、客観的に証明できる証拠を確保してください。

② 夫婦の共有財産を把握する

離婚時の財産分与は、相手名義の財産であっても、婚姻期間中に築いたものであれば半分をもらう権利があります(2分の1ルール)。

しかし、離婚を切り出した途端に相手が財産を隠すケースは後を絶ちません。相手が油断している今のうちに、以下のコピーや写真を撮っておきましょう。

  • 預貯金通帳(全口座)、源泉徴収票や給与明細
  • 生命保険・学資保険の証書、不動産の契約書・権利書
  • 退職金規程(将来の退職金も分与対象になる可能性があります)
  • 自宅や車など、金額がはっきりしないものは評価額を調べておく。

③ 子どもに関する情報を集める

親権を取りたいのであれば、特に行動に注意が必要です

  • 子どもの養育に深く関わってきた証拠(母子手帳、育児日記など)を集める。
  • 養育費の目安を算定表で確認しておく。
  • 子どもの預け先や進学先、転居後の生活環境をリサーチする。

④ 離婚後の生活設計を立てる

確認シートで描いたライフプランを実行に移します。 離婚後の毎月の収支を具体的に試算し、赤字にならないか確認します。

もし現在の収入で足りない場合は、資格取得やスキルアップを検討し、生活を維持できる仕事を探すなど、経済的な自立の目処を立てておくことが重要です。

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【書誌情報】
『増補改訂版 前向き離婚の教科書』
監修: 森元みのり

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離婚について迷ったり、不安を抱えたりしている方へ。

心の整理の仕方から、お金や子どもの問題をクリアする方法、離婚手続きの仕方、離婚後の生活設計までをコミックと図解でわかりやすくガイドする本です。

初版から6年が経ち、養育費や婚姻費用の回収手続の強化、女性の再婚禁止期間の撤廃、DV保護命令の対象の拡大など、重要な法改正が行われました。

本書はそれに伴い、養育費の現状、ひとり親支援、再婚の注意点、また熟年離婚、子連れ再婚、事実婚・内縁の離婚、共同親権などについて新たにページを設けた増補改訂版です。

1章 離婚でもらえる「お金」を学ぶ
2章 とっても気になる「子ども」を学ぶ
3章 ついに離婚を決意!「離婚手続き」を学ぶ
4章 いざ新生活をスタート!「離婚後の手続き」を学ぶ

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