『伝授』第21回 パドック中継の見方ついて伝授

 テレビでパドックを見ていると、解説者が色々なことを言う。人によって微妙にニュアンスの違うことを言うが、おおまか同じようなことを言っている。
 そんなパドック中継のなかで読者の皆さんが気になりそうなことについて、俺なりの考えを伝授したい。

・尾っぽを振っている馬を気にしなくていい

 パドックで、しきりに尾っぽを振る馬に「落ち着きがないですね」とマイナスに捉える解説者は多い。ただ、俺は全く気にしない。

 そもそも馬の尾っぽの必要性は何なのか? 猫にとってのヒゲは平衡感覚を保ったりするのに大事というけど、馬の尾っぽは必要性がわからないよな。
 昔は厩舎の衛生環境が今ほど整っていなかったので、馬房の中の飼い葉桶やボロにハエがたくさんいて、そのハエを追い払うために尾っぽを使っていた。だけど、今はトレセンが綺麗でハエがほとんどいないので、その使い道すら見ることがなくなった。

 人間でも落ち着きのない性格のヤツもいれば、おとなしいヤツもいる。ただ、その性格と足の速さに関係性があるのか? ウサイン・ボルトはおとなしいのか?
 だから、パドックで尻っぽを振って落ち着きがないことが競走能力と関係があるのかなんてわからないだろ。
 もし、尾っぽを振る馬を敬遠したければ、それはその人の主観や好みなので、俺が何か言うことではないと思う。

尾っぽを上げる馬はボロの残りを出しているだけ

 馬は厩舎でボロをしてから出発する。だけど腸が長いから、競馬場に着いてもまだ体内に残っている。パドックで尾っぽを上げている馬は、その残りのボロを出そうとしているに過ぎない。これは獣医師にも確認した話だし、もちろん競走能力には全く影響しないので気にする必要はない。

尾っぽを上げていても、気にする必要はない

 また、「尾離れが良いときは状態が良い」という人もいるが、これは尻の形によってそう見えるだけ。見た目がたれ尻で、尾の付け根のところのお尻が垂れてしまっていると、尾っぽと尻がくっついてベトっとして見える。でもこれは、あくまで見た目だけの問題なので競走能力と関係ない。 

「尾離れが良い」と言われる馬
「尾離れが悪い」と言われる馬

「二人引きされている馬=気性が悪い馬」という見方は正しいが…

 二人引きされている馬は、ほとんどが「二人で引いた方が安全だ」と厩舎が判断した場合にやっている。気性が悪い馬は他馬に迷惑をかけることがあるから、暴れたら二人で制御しようということだ。
 読者の皆さんが「二人で引いている=うるさい馬」と判断したい気持ちはわかる。俺もそう思う。だけど、二人で引いていても、普通に歩いていれば問題ないと見てよい。だから、二人引きというだけで割り引く必要はない。

二人引きでも普通に歩いていれば気にしなくていい

 ちなみに、厩務員の服装はラフな服装で引いても、もちろん馬の能力には影響しないけど、馬主からしたらスーツで引いてもらっていると馬が格好良く映るし、大事にされていると感じる。そういうことで、昔と比べるとスーツで引く厩務員が増えてきたよな。

最近はスーツ姿で馬を引く姿をよく目にするようになった

・初ブリンカーなど、馬具はそこまで重視しない

 古い話だけど、影を気にしていたナリタブライアンがシャドーロールを着けてから結果を出したように、ブリンカーやシャドーロールなどを着けることで、効果がある馬が一定数いることは確かだ。

 ただし、1回目は効いたけど、2~3回目で慣れてしまって効果がなくなってしまうこともある。また、国枝厩舎のように、目印として自厩舎の馬にシャドーロールを着けている場合もある。

 「今回は初ブリンカーの効果に期待ですね」なんてパドック解説者が言っていることもあるが、俺は馬具を着けてきたからというだけで馬券を買うことはない。ただ、その馬の気性などを考慮したうえで評価を上げることはある。
 まぁ、実際にそんな効果があるなら、どんな馬具でもどんどん使えばいいんじゃないかと思うが、微々たる効果しかないから何も着けていない馬が多いのだろう。

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