背骨は脳とカラダの部位をつなぐ神経の通り道
人のカラダを家にたとえると、胸郭が屋根、骨盤が土台、そして背骨は大黒柱になります。家の大黒柱がゆがんでしまうと、土台も屋根も崩れてしまいます。同じように、背骨がゆがみむと、カラダ全体のゆがみにつながり、全身のさまざまな症状の原因になります。
背骨には脊髄神経といわれる神経が通っていて、脳とカラダの各部位をつなぐ役目をしています。つまり、背骨は脳からの指令とカラダからの情報が行き交う通り道でもあるのです。脊髄神経の一部が損傷すると、それより下の部位は脳と連絡できず、運動麻痺と知覚麻痺を起こします。
背骨がゆがめば、損傷とまではいかないものの、神経の通り道が圧迫されスムーズにいかなくなるため、私たちのカラダにさまざまな悪影響が出てきます。何となくだるい、片半身だけ重だるくなる、頭が重い、疲労感がとれない……。何かの病気かと思い病院で検査しても、原因となる病気が見つからない、いわゆる不定愁訴と呼ばれる状態です。
「生理的湾曲」を整える
背骨のゆがみで注意したいのは、「生理的湾曲」と呼ばれるS字カーブです。湾曲していることにより、重力によるカラダへの負担を背骨全体で受け止め、負担を最小限に抑えられるのです。
生理的湾曲があるのは人間だけですが、生まれたばかりの赤ちゃんの脊柱はS字になっていません。ハイハイを始めてお座りをする頃にS字のようになり、歩き始める頃にやっとS字カーブができてきます。つまり、人間が二足歩行するためには生理的湾曲が必要不可欠なのです。
といっても、ただS字を描いていればいいというわけではありません。適切な角度があってこそ、衝撃を効率よく吸収し、無理なく直立を保っていられるのです。背骨がゆがむとS字の角度が小さくなったり、逆に大きくなったりします。背骨のゆがみを整えるには、背骨を正しい位置に整えつつ、正しい生理的湾曲をつくることが重要であるといえます。
【書誌情報】
『痛みのない身体になる究極の整体術 1日8分の調整でゆがみが治る!』
著者:加賀谷慶太 東葉コンディショニング整体院 総院長
カラダの痛みや不調の原因は「ゆがみ」。このゆがみを正し、全身のバランスを整えれば、腰痛・関節痛・手足のしびれ・肩こりなどの痛みのない健康的なカラダを手に入れることができます。本書では、どこに行ってもなかなかよくならない人が最後に駆け込む整体院として多くの実績を上げ、患者を救ってきた著者が、独自の施術療法QPR(クイック・ペイン・リリース)法を「自分でできる」ようにアレンジして効果的な41のエクササイズとして紹介。全身および部位別に痛みの解消、予防ができます!
公開日:2021.04.04