ゆがみの改善は筋肉を強化するだけでは不十分
ゆがみの解消は、土台となる骨盤からアプローチし、足からひざ、股関節といった下肢アライメント(配列)を整えるのが第一歩です。「加齢によって筋肉量が落ちてカラダに負担がかかっているから、筋肉をつけなさい」と指導されることも多いと思いますが、筋肉だけを鍛えても大きな効果は望めません。筋肉を自動車にたとえるとエンジンです。筋肉量が減ると、若いときに比べて立ったり歩いたりする動作がつらくなるのもそのためです。
一方、骨や関節は自動車でいうと車体にあたります。エンジンとタイヤをつなぐ各パーツが正しい位置でかみ合っていないと、たとえエンジンのパワーがあっても、その力を生かすことができません。カラダがゆがんでいるということは、自動車でいうと、まさにこのパーツがかみ合っていない状態です。そのまま動かしても、燃費効率が悪いだけでなく、どこかのパーツに負担がかかり、故障の原因になります。私たちのカラダも同じです。だからこそ、筋力を強化するだけでなく、カラダのバランスを整えることが大切であるといえます。
QPR法は脳をリラックスさせてゆがみを整える
ゆがみやねじれが痛みやコリの原因であるという発想は、特別めずらしくありません。実際に多くの整体では、筋肉を押したりもんだりしています。それに対してQPR法は、やさしくカラダをゆらすことで脳に安心感を与え、カラダの内部をゆるめながら、ゆがみやねじれを解消していくのが特徴です。
人体には、表面の浅い層にある「表層筋」と、深い層にある「深層筋」と呼ばれる筋肉があります。コリや疲労はどちらの筋肉にも蓄積しますが、もんだり押したりしても、せいぜい表層筋しかゆるめることができません。浅いコリや痛みであれば表層筋をもみほぐせば解消することも可能ですが、慢性的な痛みやコリの多くは深層筋に原因があります。
深層筋をゆるめるには、カラダをゆっくりゆらしながら、脳をリラックスした状態にすることが大切になります。緊張していた深層筋がゆるみ、正常な状態になるからです。そうすると、筋肉に引っ張られていた骨格も本来の状態に戻ります。骨が正常な状態に戻れば、それまでゆがみによって圧迫されていた神経も正常になり、痛みや不快感が改善されるというわけです。
整体というと、バキバキと骨を鳴らしながら骨格を調整するというイメージが強いと思います。対してQPR法はソフトでやさしい施術ですが、身体の奥底からゆるめてゆがみを整える画期的な整体療法なのです。
【書誌情報】
『痛みのない身体になる究極の整体術 1日8分の調整でゆがみが治る!』
著者:加賀谷慶太 東葉コンディショニング整体院 総院長
カラダの痛みや不調の原因は「ゆがみ」。このゆがみを正し、全身のバランスを整えれば、腰痛・関節痛・手足のしびれ・肩こりなどの痛みのない健康的なカラダを手に入れることができます。本書では、どこに行ってもなかなかよくならない人が最後に駆け込む整体院として多くの実績を上げ、患者を救ってきた著者が、独自の施術療法QPR(クイック・ペイン・リリース)法を「自分でできる」ようにアレンジして効果的な41のエクササイズとして紹介。全身および部位別に痛みの解消、予防ができます!
公開日:2021.04.14