2017年に大阪杯がGIへ昇格するとともに、金鯱賞がそれまで冬開催から春開催へと変更になり、1着には大阪杯への優先出走権が与えられるようになって今年で5年目。
2018年には金鯱賞で勝ったスワーヴリチャードが大阪杯も勝っており、重要なステップレースである。
今年の出走馬を見てみると、GI馬4頭が出走予定である。
その中でも、昨年のジャパンカップでの3冠馬対決で注目を浴びた牝馬3冠のデアリングタクトもこの中におり、注目度が高いレースとなっている。
そのデアリングタクトだが、昨年が3歳ということもありジャパンカップでは3着だったが、53kgと最軽量の斤量で走ることが出来ていた。今回は55kgを背負う。
そういう意味でも、この金鯱賞こそ本当の意味で牡馬との力関係が判明するレースであるからこそ、デアリングタクトにとって負けたくないレースである。
ただ、歴史は浅いが2017年から大阪杯のステップレースとなって以降、このレースを一度も牝馬は勝ってはいない。そればかりか金鯱賞で牝馬が勝ったのは、1995年のサマニべッピンまで遡らなければならないほど、牝馬にとっては鬼門のレースである。
果たして3冠牝馬デアリングタクトは、ここを突破することが出来るのか?
ここでレース前に金鯱賞唯一の3連覇を達成したレジェンド馬を紹介しよう。
2003、04、05年勝ち馬・タップダンスシチー
デビューの予定は2歳時(現年齢表記)だったのが、怪我のため2000年の3歳時にズレ込む。
初戦は9着だったが、2戦目で初勝利を挙げる。
デビューが遅れたのと、勝ち味が遅かったためクラシック戦線には乗れなかった。
しかし、条件戦を一つずつ勝ち5歳の春にオープンクラスへ昇格。
オープン昇格5戦目の朝日チャレンジ(GⅢ)で初重賞制覇。秋には有馬記念(GⅠ)で2着の結果を残す。
6歳になり初戦のオープン特別勝ちから臨んだ金鯱賞(GⅡ)も勝って、ここからタップダンスシチーが大ブレイク。
続く宝塚記念(GⅠ)で3着。
秋には京都大賞典(GⅡ)を勝って迎えた、ジャパンカップ(GⅠ)で鮮やかな逃げ勝ちで初GⅠ制覇を達成。
翌7歳でも、金鯱賞と宝塚記念を勝利。凱旋門賞にも挑戦(結果は17着)。
そして8歳でも金鯱賞を勝って、史上初の金鯱賞3連覇を達成した。
ただ、その後は勝つことが出来ず、その年で引退し種牡馬となった。
果たしてタップダンスシチーのように、古馬になってからブレイクする馬の誕生となるのか?
発走は、3月14日 中京競馬場 11レース 15時25分予定。
公開日:2021.03.11