完封一番乗りの市和歌山・小園
第93回選抜高校野球大会は第4日の3月23日、阪神甲子園球場で1回戦が行われ、第1試合で2年ぶり出場の市和歌山が県岐阜商に1-0で9回サヨナラ勝ちした。
最速152キロのストレートだけではなく、2種類のツーシームにカットボール、チェンジアップ、スライダーと豊富な変化球が大きな強みである市和歌山の152キロ右腕、小園健太がこの試合、最速147キロをマークしたストレートにスライダー、ツーシームを織り交ぜ、県岐阜商を相手に9回130球で、4安打8奪三振と完封勝利を収めた。
4回までは毎回得点圏にランナーを置く苦しい立ち上がりを見せるも、大会屈指の右腕は決定打を与えなかった。
最大のピンチは3回1アウト2、3塁 の場面で、2番の宇佐美には粘られながらも9球目のスライダーで空振り三振を奪うと、続く3番の山本には146キロのストレートを外角に厳しいコースに投げきり、圧巻の連続三振で切り抜けた。
6四球と乱れ、3者凡退はたった一度と再三得点圏にランナーを背負いながらも、被安打4に抑え、今大会完封一番乗りを達成した小園健太は「想像以上に1点を争うゲームで勝ち切れたのは自信になる」。と語った。
完封勝利を目の当たりにした巨人榑松アマチュアスカウト統括兼スカウト部次長は「直球の質が良く、スライダーのキレも高校生離れしている。打者の反応を見ながら投げるセンスがあるし、バランスもいい。間違いなく上位候補」。と絶賛した。
公開日:2021.03.24