奄美大島でピッチャープレートの設営をしていた時になった電話
ベイスターズの用具係7年目となる入来祐作さんの携帯電話に知らない番号から電話があったのは2014年、秋のキャンプイン前日のこと。
奄美大島で翌日のキャンプに備えピッチャープレート版の張替えをしていた時だった。
電話の相手はその年からソフトバンクの監督に就任した工藤公康。
「もう用具係はいいだろう。そろそろ一緒にやらないか? 秋のキャンプから来い。」コーチへの誘いは突然だった。
とはいえ、用具係の仕事はすぐにやめることは出来ない。誰もがすぐにできる仕事ではなく、簡単に代わりの人材など手配できない。困った入来祐作さんは当時の上司に電話をして相談したという。
その一方でこういった話はスピーディーに返答しないと“男が廃る”という気持ちが入来祐作さんにはあったという。
そして、2日~3日後にベイスターズからOKが出た。
コーチの話が来たのは嬉しかったが、コーチは用具係以上に結果が求められる職業であり契約は1年ごと。
来年もコーチをできているかどうか考えると不安になり、「この先の人生の安定」を考えればコーチを引き受けるというのはかなりの博打だという気持ちがあり、“嬉しい”という気持ちだけではなかったという。
しかし、結果として引き受けて自分の経験を未来のスター選手に伝えられることはムチャクチャ楽しかったと話してくれた。
公開日:2021.04.16