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ラ・リーガの新・日本駐在員ギエルモ・ペレス氏インタビュー。乾、岡崎、柴崎、久保と歩む90周年のシーズンは「エキサイティング」

スペインサッカーリーグのLaLiga(ラ・リーガ)は、世界の主要マーケットに駐在員(デリゲート)を派遣するなど、戦略的なローカライゼーションを行っている。昨年9月には、90周年となるシーズンの開始とともに、新たな日本駐在員としてギエルモ・ペレス氏が就任。以前はナイジェリア駐在員として成果を残した同氏のこれまでと、今後の展望を聞いた。(聞き手はHALF TIMEマガジン編集長の山中雄介)

事業開発(BizDev)経験をもとにラ・リーガに参画

――まず初めに、これまでのキャリアについて教えてください。

私のバックグラウンドは主に、国際的なビジネス・ディベロップメント(事業開発:BizDev)です。学士号は国際ビジネス、その後も国際商学・ビジネスの専攻でMBAを取得しています。卒業後は在カナダのスペイン大使館に就職しました。スペインブランドのカナダ市場での戦略実行をサポートしつつ、カナダのパートナーに対してはスペインへの輸出と投資を促す取り組みを行いました。その後香港に渡り、スペインの銀行BBVAの戦略部門で勤務しました。

そして2年前、ラ・リーガの国際戦略・開発部門に参画することになったのです。大きな野望をもって、ラ・リーガは近年拡大を続けています。

――ラ・リーガに転職したきっかけは何だったのでしょうか。

ラ・リーガで働くことは私の夢でした。私はバレンシアの出身で、バレンシアCF(国内リーグ6回の優勝を誇る古豪)のファンとして育ったんです。だからこそ常にラ・リーガで働きたいという気持ちがありました。

おそらく何年か前までは、ラ・リーガの一員になることは今よりもっと難しかったでしょう。しかし2・3年前、ラ・リーガがグローバルチームを拡大させることを知りました。その時、国際ビジネスを専門にする私が参画する絶好のチャンスだと感じたんです。そして幸運にも採用され、今こうして働いています。

これまでラ・リーガは約60人のスタッフから600人に拡大し、現在40ヵ国を超える地域に拠点を置いてます。ニュージーランドやナイジェリア、アメリカ出身のスタッフが在籍するなど非常にインターナショナルで、様々な分野にまたがるチームです。こういった機会に恵まれて本当に幸せです。

――最初のポジションはナイジェリアの駐在員でした。どういった経緯で担当になったのですか。

ラ・リーガに参画する際、ナイジェリアのポジションがオープンであることを知っていました。ナイジェリアには2016年に参入して以来、ラ・リーガの国際戦略において重要なマーケットの一つです。アフリカで最も大きな国であり、人々はサッカーを愛しています。駐在していた2年間では多くの事を学ぶことができ、素晴らしい経験でした。

――ナイジェリアでの取り組みについて教えてください。

ナイジェリアのサッカーリーグとパートナーシップを結び、4年間で100人以上のコーチを育成しました。また、新型コロナウイルス拡大の前には同国初のパブリックビューイングを行い、多くの人が楽しんでくれました。

私たちは現地のクラブやスポーツ業界と共に成長しています。だからこそ地域のパートナーやファンは、私たちの存在や取り組みを評価してくれるのです。ナイジェリアでの最高の思い出は、私たち自身やそのプロジェクトを人々が歓迎してくれたことです。

「在宅」でスタートした駐在員

――日本のステークホルダーと働いて、第一印象は?

これまでのところ、本当に感謝しています。ナイジェリアにいた時と同じ感覚を抱いています。 Jリーグをはじめ、放送局やパートナー企業が私を新しいパートナーとして、同僚として、または友人として受け入れてくれたことに本当に感謝しています。コミュニケーションは非常に円滑で、非常に仕事がしやすい。

――現在はスペインの自宅での仕事になりますね。リモートワークはいかがですか。

決して簡単ではありません。私がまだ日本で働いたことがないというのが大きな要因でしょう。例えばナイジェリアの時もスペインから数か月働いたことがありましたが、現場の仕組みをすでに知っていたので問題はありませんでした。すでに2年間現地にいたので、意思決定が容易だったのです。

もちろん観光客として個人的に日本を訪れたことはありますが、ビジネスではありません。とはいえ現在は過渡期。なるべく早く日本に行き、市場がどのように機能するのかをこの目で見たり、アクティベーションを行うためにも現地で働きたいですね。

――最後に、日本のステークホルダーに向けてメッセージがあれば教えてください。

ラ・リーガにとって日本は非常に重要な市場です。サッカーが広く放映され、若い世代をエンゲージしている。これはとても良いことであり、私たちがその一部になることができて嬉しいです。

ローカルのリーグも重要です。私たちにとっては、現地の産業と一緒に成長するのが鍵になります。日本のサッカーファンに向けては、過去の東京でのパブリックビューイングのようなアクティベーションを再開することも楽しみにしています。

乾、岡崎、柴崎、久保など日本のトッププレーヤーが所属するラ・リーガの90周年シーズンは、とてもエキサイティング。ぜひ楽しんでいただければと思います。

初出=「HALF TIMEマガジン」
スポーツビジネス専門メディア「HALF TIMEマガジン」では、スポーツのビジネス・社会活動に関する独自のインタビュー、国内外の最新ニュース、識者のコラムをお届けしています

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