東京五輪 バレーボール男子 西田有志 27日囲み取材
男子日本代表エース・西田有志「五輪は努力を極めたアスリートの集まり。そこに自分がいられることを誇りに思う」
バレーボール男子日本代表の西田有志選手は27日、オンライン囲み取材に応じ、東京五輪2試合を終えての感想や現在の自身のコンディションについてなどを語った。
――2試合を終えての感想や手応えを教えてください。
西田:初戦のベネズエラ戦はオリンピックという場所に立つことが初めてだったので、少し緊張していた部分もあったと思います。自分のパフォーマンス的にも数字的にも良くなかったので、反省点が多い試合でした。 昨日のカナダ戦では自分が持っているパフォーマンスの今出せる部分をしっかり出し切れたと思いますし、勝つことができ、オリンピックでの勝ちというのは他の国際大会での勝利よりも大きいものだと実感しました。現時点ではすごくいい方向に行ってるかもしれませんが、これからまだまだ長い戦いだと思うので、そこに向けてしっかり強化、調整して、明日の試合に臨みたいと思います。
――オリンピックは他の大会と違うと感じる部分はありますか? また、他競技の日本選手の活躍を見ていますか?
西田: オリンピックは何が違うかというのをなかなか自分の言葉で伝えられないもどかしさがあり、それくらい違うということを肌で感じています。何が違うかと言われると、やはり会場の緊迫感であったり、プレッシャーという部分では今までとは格段に違う場所だと。昨日も試合をして、バレーボールのプレーヤーとしてもそうですが、 あそこまで自分たちが「これがバレーボールなんだ」というふうに思えるような試合展開はなかった。そういうことをこのオリンピックで味わえたということがオリンピックのいいところなのかなと感じています。
他の競技の方々が金メダルを獲得したりしている場面を身近なところで見聞きすることができ、そういうニュースが耳に入るとモチベーションにもなりますし、選手村で毎日当たり前のように見ている他競技の選手の方々も一人ひとりがすごい選手で、毎日驚きがあります。努力が結果につながるということを極めた方々の集まりなので、そこに自分がいられることを1選手として誇りに思います。
――昨日のカナダ戦でのプレーについて、スイッチが入ったきっかけのようなものはありましたか?
西田:きっかけというよりも、自分がこの場所に立っていることの意味であったり、いろいろな競技の方々がいる中で、バレーボールに携わっている身として、どんないい影響を皆さんに与えることができるのかを考えました。
パフォーマンスが上がらない苛立ちやもどかしさの中で戦っていた部分があり、ここまでたくさんの方々に支えてもらって、困っている時は助けてもらってきたので、自分の状況で左右されてはいけないと思いました。ケガしてから復帰するまでの期間も長くかかりましたし、1戦目はそこを自分の中で言い訳にしていたのかなと。
でも、今カナダ戦を終えて、100%のパフォーマンスだったかといえば、まだまだだと思うので、もっと上に行くためにはもっとストイックに、貪欲に行くべきだと考えています。なので、誰かに声をかけてもらって(スイッチが入った)というよりも、自分を支えてくださった方々のためにいいパフォーマンスをすべきだと思いますし、いいパフォーマンスをすればチームが助かる。それに限ると思っていたので、自分の体がどうこうというよりも、1勝をもぎとるということだけに昨日は集中していました。
――100%ではなかったとおっしゃいましたが、手応えとしては、どのくらい上がってきているという感覚ですか?
西田:まだ7割くらいという感覚です。徐々に上がってきている部分もありますが、もっともっと自分の中で上げたい部分がたくさんあるので、自分の中でポイントを決めて、しっかり改善してやっていけば100%になっていくかなと思います。
――先ほどの監督の会見の中で、西田選手が太ももを傷めていたと伺いましたが、左右どちらでしょうか?
西田:左脚です。
――状態はかなり回復してきていますか?
西田:そこも100%ではないですし、痛みも若干残っている部分はありますが、それよりも今はオリンピックなので、この大会は自分の体を酷使してでも戦い切るつもりでやっています。
情報提供『バレーボールマガジン』
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公開日:2021.07.28