東京五輪 男子海外バレーコラム
こんなフランスを待っていた 混戦のバレー男子B組
フランスがROC(ロシア)を3-1で破った。3戦目でROCはブラジルに対しブロックショーを演じ、高さと強さを見せつけたが、フランスはそれを恐れず気迫と自信を持って立ち向かった。A、B両組の決勝リーグ進出へ向けた鍵となる試合をピックアップした。
■B組ではROCとブラジルが決勝リーグへ
ここまで1勝2敗で、初戦の後には次期フランス監督のベルナルド・レゼンデ氏から「エネルギーが感じられない」と辛口な一言を浴びたフランスだったが、この日は気迫と自信に満ちていた。フランスが3-1でROCを退けた。ROCの高さに対し、セッターがトスをうまくちらし、パイプを効果的に使うことで、スパイカーが「ブロックが1枚になれば、かわすことができる」と自信を持って臨んでいた。2セット目の序盤に、コート脇にボールを追いかけたOHエアルヴィン・ヌガペがボード(通常、広告が入る場所)に激突。ボードが壊れ足首から下が突き刺さったまま取れなくなるハプニングがあった。幸い足にけがはなく、試合を続けることができた。
FIVBのインタビューでキャプテンのSベンジャミン・トニウッティは、「開幕から事が思うように運ばなかったので、とにかくベストを尽くそうと臨みました。この試合の前はいいポジション(順位)ではなかったけれど、自分たちのゲームをうまくできたと思います。世界の最強チームに対し、挑戦しなければいけないという点まで達しました。ここでもう一度リセットし直して、こういった強いチームと互角に戦えるということを自覚する必要があります」と話している。自信を取り戻したフランス、最終ブラジル戦に決勝リーグ進出を賭ける。
■A組ではポーランド、イタリア、カナダが決勝リーグへ
どちらもここで勝って決勝リーグ進出を決めたいイタリア対イラン。イタリアは太ももの筋肉を傷めたSシモーネ・ジアネーリがコートに戻った。しかし、今度はキャプテン、OPイヴァン・ザイツェフが手を傷めた様で、3セットの途中でコートから外れた。それでも3-1で勝利をおさめたイタリア。試合後の集合写真でやっと明るさを見せてくれた。
イタリアのジャンロレンツォ・ブレンジーニ監督は、イタリア協会のインタビューに「この様な競り合ったグループで、決勝リーグ進出をかけた戦いは難しいものだとわかっていました。目の前の壁を乗り越えなくてはならない時もありました。だけど選手の皆がよくやったし、その準備ができていたと思います」と選手をねぎらった。
最終戦の日本対イラン戦で最後の1枠を争う。
写真提供:FIVB
取材:ブラジル在住 唐木田 真里子
情報提供『バレーボールマガジン』
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公開日:2021.08.01