「沈黙の国民病」CKD(慢性腎臓病)の潜在的リスクから国民を守る、早期介入体制の全国標準化に向けた緊急提言を発表


一般社団法人 日本パブリックアフェアーズ協会(東京都港区、代表理事:増田寛也)は、2026年4月6日(月)に政策提言書『「沈黙の国民病」CKD(慢性腎臓病)の潜在的リスクから国民を守る、早期介入体制の全国標準化に向けた緊急提言~「見過ごされた1,900万人」の重症化を防ぐ、健診・保険適用の最適化と包括的支援~』を発表しました。政策提言書は、日本パブリックアフェアーズ協会のホームページ( https://www.j-paa.or.jp/policyproposal/1050/ )に掲載しております。
慢性腎臓病(CKD)は、成人の5人に1人にあたる約2,000万人が罹患する新たな「国民病」となっていますが、実際に治療を受けているのは約66.6万人にとどまり、約1,900万人もの潜在的な患者が「未診断・未治療」の空白地帯に取り残されています。CKDは「沈黙の病気」と呼ばれ、自覚症状がないまま進行し、一度失われた腎機能の回復は極めて困難であり、最終的には多大な身体的負担を伴う透析療法や、心筋梗塞・脳卒中といった命に関わる心血管イベントを招く恐れがあります。
現在、特定健診で主流となっている「尿蛋白試験紙法」では、初期の腎障害である「微量アルブミン尿」を見逃してしまうという感度の限界があります。これに対し、アルブミン尿検査(UACR)は、従来の検査では「異常なし」とされる段階のハイリスク層を早期に、かつ正確に捕捉することが可能です。
近年では、SGLT2阻害薬などの進行抑制に有効な治療薬が登場しており、微量アルブミン尿の段階で早期発見・早期介入を行うことは、個人のQOLを守るだけでなく、年間500万円以上に達する透析医療費の抑制にも直結します。
しかし、現在の国の施策には重大な構造的課題が存在します。アルブミン尿検査の保険適用は原則として糖尿病患者に限定されており、高血圧や加齢による「非糖尿病性」の患者に対する早期発見の手段が制度上不十分です。また、特定健診においても本検査は必須項目化されておらず、重症化予防プログラムが糖尿病確定層を主眼としているため、より上流の「早期発見」の段階に制度的な空白が生じています。
こうした現状を鑑みて、本政策提言書では以下の3つの提言を行いました。
【提言】
1.特定健診におけるアルブミン尿検査の「標準項目化」
2.アルブミン尿検査(UACR)の保険適用範囲の抜本的拡大
3.自治体・保険者による早期介入に対する国の財政的インセンティブの強化
CKD対策の全国標準化は、国民の健康寿命を延ばし、わが国の社会保障制度の持続可能性を確保するための、最優先の国家戦略であると位置づけられることが期待されています。
弊協会では今後も、市民、政治家、行政が参加するオープンな議論と政策検討の場を用意する「パブリックアフェアーズ活動」の概念普及を推進し、政府機関だけでは解決策を考察・実行することが困難な社会課題に対し、民間の活力と叡智を取り入れた解決策を提供していくための議論や研究、提言を行ってまいります。
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