現場で困らない!訪問看護が知っていると良い介護施設・医療機関との連携のポイントとは【訪問看護のアイデア帖】

他職種・多職種との連携「介護施設との連携」

デイサービスやショートステイ、そして医療機関のレスパイト入院は、療養者の生活の質向上、そして介護者の負担軽減(レスパイト)のために重要な役割を担う外部サービスです。訪問看護師は、これらの施設と連携することで、療養者の状態変化を共有し、自宅と施設でのケアの連続性を確保し、切れ目のないケアを提供することができます。しかし、日常的に直接連絡を取り合う機会が少ないため、連携の難しさを感じることも少なくありません。


デイサービスとの連携

デイサービスは、療養者が日中に通い、入浴、食事、レクリエーション、機能訓練などを受けるサービスです。療養者の社会参加を促し、心身機能の維持・向上、介護者のレスパイトを目的としています。

サービス担当者会議やケアマネジャーを介した共有

利用開始時や状態変化時に、療養者の医療情報、日常生活上の留意点、緊急時の連絡先などをサービス担当者会議やケアマネジャーを通し、デイサービスと情報共有します。特に、デイサービス利用中に起こりうるリスク(血糖値の変動、血圧の変動、転倒リスクなど)と、それに対する具体的な対応方法を共有することが重要です。

連絡帳や連絡ノートの活用

デイサービスと療養者の介護者の間でやり取りされる連絡帳を定期的に確認し、療養者のデイサービスでの様子(食事量、活動状況、体調など)を把握します。訪問看護師からも、デイサービスに伝えたい情報(前日の夜間の様子、内服薬の変更、訪問看護での気付きなど)を記載し、ケアマネジャーや介護者を通してデイサービスに伝わるよう工夫します。自宅では体重測定ができない人の定期的な体重測定をお願いすることも多いです。

ケアマネジャーとの密な情報共有がカギ

デイサービスとは直接連絡する機会が少ないため、ケアマネジャーが連携のハブとなります。 ケアマネジャーが開催するサービス担当者会議や、ケアマネジャーへの定期報告を通して、デイサービスからの情報を受け取り、訪問看護からの情報を伝えます。ケアマネジャーに「デイサービスでの〇〇様の様子で、特に気になる点があれば教えてください」など、具体的に情報収集を依頼することも有効です。療養者のケア目標や、デイサービスでの過ごし方に関する共通認識をもつことが重要です。必要であれば、ケアマネジャーを交えて話し合いの場を設けることも検討します。

ショートステイ先(介護保険)との連携

ショートステイは、介護保険制度に基づき、施設に短期間入所の上、入浴、食事、排泄などの介護や機能訓練を提供するサービスです。主に介護者の負担軽減(レスパイト)や、一時的な在宅介護困難時に利用されます。ショートステイ先は、訪問看護師に対して、「療養者の詳細な医療情報(疾患、既往歴、内服薬、アレルギー、医療処置の詳細と管理方法など)」「日常生活の習慣や注意点(食事形態、排泄パターン、睡眠状況、ADLレベル、認知症による行動特性、コミュニケーション方法、好きなこと・嫌いなことなど)」「個別性の高い情報」といった情報を求めています。

緊急時の対応指示と連絡先

施設での体調変化時の対応、医療機関受診の目安、介護者や訪問看護ステーションへの連絡方法などを共有しておきます。特に、膀胱留置カテーテルなどの管類がある場合、それによるトラブル時の対応については検討しておく必要があります。ショートステイ先によっては、膀胱留置カテーテルの閉塞などのトラブル対応ができないところもあります。トラブル時にどのように対応するか事前に決めておくといいでしょう。

入所・退所時の情報交換はケアマネジャーが中心

多くの場合、入所・退所時の療養者の状態や申し送りは、ケアマネジャーがショートステイ先と介護者の間で調整します。 訪問看護師は、ケアマネジャーからの情報提供を受け、必要であればケアマネジャーを通してショートステイ先に質問や補足を行います。直接訪問して顔を合わせる機会は少ないですが、ケアマネジャーからの情報で、施設での療養者の様子(体調、食事量、リハビリの進捗、精神状態など)を詳しく聞き取り、自宅でのケアに生かします。

連絡ノートや申し送り書の活用

ショートステイ先で作成される連絡ノートや申し送り書を、退所時に必ず確認し、施設での療養者の様子を把握します。訪問看護師からも、自宅でのケアに関する留意点や、施設に伝えておきたい情報を記載し、介護者やケアマネジャーを通して施設に渡るよう工夫します。

レスパイト入院(医療機関)との連携

レスパイト入院は、医療保険が適用される入院であり、主に医療的なケアが必要な療養者の介護負担を軽減する目的で、病院や診療所などの医療機関が一時的に受け入れるものです。ショートステイが介護目的であるのに対して、レスパイト入院は医療管理を伴う点が大きく異なります。

入退院時連絡票や看護サマリーの活用と直接的な共有

入院時・退院時には、療養者の病状、必要な医療処置、薬剤、ADL、自宅での生活状況などを詳細に記載した入退院時連絡票や看護サマリーを必ず医療機関と共有します。特に、自宅で実施している医療処置については、具体的な方法や注意点を詳しく伝えます。レスパイトの目的(介護者の疲労度、緊急性など)も明確に記載します。

入院中の情報共有

入院中の様子は、基本的に看護サマリーでの返信になります。特別変わった様子がないかを確認しましょう。必要であれば、医療ソーシャルワーカーや退院調整看護師を介して連携を図ります。

退院後のフォローアップ

レスパイト中に困ったことなどなかったかを確認しましょう。また、介護者が十分に休息を取れたかも確認が必要です。レスパイト利用での不満があると、継続利用が難しくなりがちです。場合によっては、自宅に戻った療養者の状態や希望を病院側にフィードバックすることで、病院側も今後の支援の参考にすることができます。

【出典】『看護技術の「不安」が「自信」に変わる!現場で役立つ!訪問看護のアイデア帖』著:星の砂

【書誌情報】
『看護技術の「不安」が「自信」に変わる!現場で役立つ!訪問看護のアイデア帖』
著:星の砂/監修:伊藤大介


【Amazonで購入する】

知っていれば看護にもっと自信がつき、毎日の看護がもっと快適になる「看護ハック」を集めました。

個人のご自宅に訪問し、1人で対応することの多い訪問看護の現場の悩みを解消します。

目からウロコのテープ技術、在宅環境で使える道具や代替品紹介などの実用的な情報から他職種との連携のコツ、訪問看護師の働き方のリアルまで看護の現場で頻繁に遭遇するけれど教科書には載っていない超実用的な訪問看護のコツと知恵を紹介します。

著者の星の砂さんは、自身が訪問看護師。Instagramフォロワー10万人。看護技術の「不安」が「自信」につながる情報を紹介しています。教科書では学べない看護現場で役立つスキルを中心に発信中で、子育て中のママナース。

明日からすぐに使える「看護ハック」は看護が快適になり、自信を持ってケアができるようになるテクニックばかりです。

すでに訪問看護師として働かれているかたはもちろんこれから訪問看護師と働くことをご検討中のかたにもおすすめしたいかゆいところに手が届く一冊です。

この記事のCategory

求人情報

インフォテキストが入ります