【疲労の真犯人】体や心ではなく「脳」がバテている? 疲れの意外な正体とは【脱・疲労回復 「疲れないしくみ」をつくる脳の習慣】

すべての疲れの正体は「自律神経疲労」
疲れているのは体やメンタルではない
「疲れた」という言葉からまず思い浮かぶのは、体のだるさや痛み、脱力感といった肉体的な疲労感ではないでしょうか。手足や目など体の一部を酷使したことがその原因だと考えがちですが、実際に「疲れている」のは体ではなく「脳」なのです。運動による肉体的な疲れも、緊張やストレスによる精神的な疲れも、その根本は脳に起因します。つまり、すべての疲労に対して脳からアプローチする必要があるのです。
この脳の疲れをもう少し正確に言い表すと、それは「自律神経の疲れ」です。自律神経は、生命の源である脳を守るため、体のあらゆる器官に指令を出して脳に酸素と栄養を供給させ、脳温度を安定させるよう24時間、働き続けます。肺に対しては酸素を取り込ませ、胃腸には栄養を取り込ませ、心臓にはその栄養と酸素を脳に送らせます。猛暑など過酷な状況では皮膚に対して発汗させて脳温度を安定に保ちます。その指示を出しているのが、24時間休みなく働き続ける自律神経なのです。
ゆえに、全身で酸素需要が高まる運動はもちろん、デスクワークも脳の酸素および栄養需要を高めるため、脳を守る自律神経は、各器官に対し、より適切で複雑な指示を細かく指示を出す必要に迫られます。
また、眼精疲労も、目ではなく、自律神経の疲労が深くかかわっています。そもそも動物の目は、サバンナで獲物を狩るような仕事モードの時、すなわち脳が交感神経優位のときは、目は遠くが見えるようレンズを薄くするよう設計されています。一方、赤ちゃんにおっぱいをあげるようなリラックスモードの時、すなわち脳が副交感神経優位のとき、目は近くが見えるようレンズを分厚くするようになっているのです。
しかし、人類50万年の歴史のなかで、この数十年だけ、人間は仕事モードで脳を交感神経優位に保ちながら、近くを見て仕事するようになりました。その結果、脳は交感神経優位なのに、目に対しては副交感神経の刺激を出してレンズを分厚くしなければならない事態が生じたのです。この自律神経の矛盾が眼精疲労の正体なのです。
この矛盾を解消することは現実的に難しいですが、数十分に1回は遠くを眺めて交感神経優位にするだけでも、自律神経疲労はたまりにくくなります。
「疲れないしくみ」は脳からつくる
登山や格闘技のように、体を極端に酷使するような運動をしない限り、筋肉に疲労がたまることはほとんどないことがわかっています。
現代人が感じている疲れのほとんどは、肉体的なものも精神的なものも、原因をたどれば自律神経、つまり脳の疲労であるといえます。脳の使い方をアップデートすることこそが、「疲れないしくみ」をつくるための最適なアプローチだといえるでしょう。
自律神経のしくみ
自律神経とは……
脳に酸素と栄養を供給し、脳温度を安定させるための神経システム。自律神経の中枢である視床下部から体のあらゆる器官に対し、交感神経と副交感神経を介して指令を出し、脳=命を守る司令塔。
【交感神経】
運動や緊張、興奮などによって高まる。心拍数、血圧、体温などを上昇させ、体を活動的にする。
【副交感神経】
リラックス状態のときに高まる。心拍数、血圧、体温などを下げ、体を休息させる。
疲れのほとんどは「自律神経疲労」
ジョギング程度の有酸素運動は筋肉ではなく、むしろ酸素と栄養需要の増大に対し、脳の恒常性を維持する自律神経に負荷がかかります。

【出典】『脱・疲労回復 「疲れないしくみ」をつくる脳の習慣』著:梶本修身
【書誌情報】
『脱・疲労回復 「疲れないしくみ」をつくる脳の習慣』
著:梶本修身
現代の疲労は「疲れたら休む」では遅い!
≪脳から「疲れないしくみ」をつくる最新疲労医学≫
「休んでも疲れがとれない」「疲労感を誤魔化しながら働いている」――多くの人が、こうした状態で日々を過ごし、疲れては休み、回復しきらないでまた疲れ…を繰り返しているのではないでしょうか。
これまでは、このようにたまった疲労を取り除く「疲労回復」の考え方が中心でした。
しかし、最新の疲労医学では、そもそも疲れないようにする「脱・疲労回復」の方法が明らかになっています。
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カギとなるのは「ワーキングメモリ」。
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「その日の出来事を“タグ付け”して記憶する」
「悩みを3つに分類してメモリーの無駄遣いをやめる」
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