【友利新先生】小学生がメイクに興味を持ちはじめたら、基本を教えるチャンス!「子どもはダメ」と否定するより、上手に、楽しくつきあっていくために*インタビュー前編

皮膚科医として、またTV、SNS、YouTubeなどでも幅広く活躍する友利新先生。3人のお子さんのママでもあり、メイクに興味を持ちはじめた小中学生を持つ親御さんに向けた発信にも積極的です。
「おしゃれの基本は、お肌から!」ということで、今年9月に発売された『No.1おしゃれ ヘアメイク&スキンケアLesson』(日本文芸社)の監修にも携わり、メイク落とし、スキンケア、紫外線・乾燥・摩擦からお肌を守る方法などを紹介しています。
メイクを楽しむには皮膚の健康状態を守ることが第一条件だという友利先生に、小学生のためのスキンケアについてお話を伺いました。前編、後編の全2回の公開です。

取材・文:酒井絢子 


メイクを本格的にはじめる年齢になる前に、子どものうちに正しい知識を得てほしい

――今は、SNSやYouTubeのメイク動画などで、子どもがメイクに興味を持つ機会も多いですね。

友利先生:うちの小学生の娘もYouTubeでメイク動画を見ていることがあります。ちょっと覗いてみると、親としてはヒヤッとするようなメイクの仕方を見ていることも。玉石混交なインターネットの世界から、一体子どもがどんな情報を得ているのか、一つひとつ確認して注意喚起をするのはなかなか難しい状況ですよね。

ただ、子どもの興味やワクワクを頭ごなしに否定するのは違うんじゃないかなと思っていて。「これはダメ、あれはダメ」と規制ばかりするよりも、「正しいことを知ったうえで、自分のやり方でやっていこう」と伝えてあげたほうがいいと思うんです。

イラスト:空豆とむ
「キャッチーさを売りにした真偽不明な情報を、子どもたちが正しいと信じてしまうことが心配」と友利先生。

友利先生:メイクって、大人になったらずっと付き合っていく人も多いので、習慣になるじゃないですか。
正しい知識を得て正しい習慣となっていけば問題ないですが、間違った知識を得たまま、それが習慣化してしまったら、そこから正すのってけっこう難しいですよね。

だから、興味を持ちはじめた子ども時代にこそ、楽しみながら正しい知識を身につけてほしい。そして、問題ない方向で習慣づけられたら、大きくなっても自分らしいキレイを保っていけるはずです。

子どもの想いに耳を傾け、リカバリーできることなら経験させるのもあり

――小学生にはまだ早いかなと思うようなヘアメイクをやりたいとねだられた場合は、どうしましょう。

友利先生:うちでも、夏休みに子どもから「髪を染めたい」と言われたんです。熱心にプレゼンされて。美容室で何時間もかかることや髪が強いダメージを受けることを説明しても「大丈夫!」と言うから、やらせてみたんです。

でも、やっぱり長時間座りっぱなしはつらかったみたい。髪色も想像していた通りにはならなかったらしく、元に戻すときにも時間がかかって……。結局「もうこりごり」ですって。
実際に体験したことで納得してくれました。

本書では、「メイクを楽しむための4つのお約束ごと」を提案しています。ぜひ親子で共有してください!

――親としては「やってみたら」と言うのにも勇気がいりますが、経験は何より有効な説得になりますね。

友利先生髪や爪ならまた生えてくるし、リカバリーができる。子どものうちは、親である私自身が責任を取れることなら、希望があればやらせてあげたいですね。

自分もそうでしたけど、頭ごなしにダメって言われると逆にやりたくなるし、なんなら隠れてやっちゃう。だから、隠れてやって取り返しがつかなくなるよりは、取り返しがつくことは親の責任の元で経験させて、「どうだった?」と聞いて、感じたことを親子で共有していくほうがいいのかなと思います。

健康上問題のあるメイク方法は別として、どんなメイクがいいかどうかはその子の自由。

きちんとしたスキンケアで健康を保持したうえでなら、自分自身が “こうなりたい” って思うこと、 “これが好き” って思えることがいちばんです。

スキンケアはなんのため? きちんと説明して将来につなげよう

――親が子どもの希望を前向きにとらえられたら、親子関係も深まりそうです。逆に、親のほうから子どもに示してあげることはありますか?

友利先生:なぜ日焼け止めを塗ったほうがいいのかや、なぜ乾燥させてはいけないのかといった、スキンケアが必要な理由を教えておくことだと思います。

イラスト:七海喜つゆり
「きれい」をつくる決め手は毎日のスキンケア。お子さんに日焼け止めを塗る理由をしっかり教えておいたら、学校の水泳授業で日焼け止めNGでも「じゃあラッシュガードを着よう」と自分で考えられるようになったそう。

やるべき理由を教えるのは、「なんで勉強したほうがいいの?」と聞かれたときに答えるのと同じで、「知識があれば将来に幅広い選択ができるから」。

スキンケアも、自分がどういうメイクをするか、どういう肌に仕上げたいかを考えたとき、選択肢を増やすには、土台となるお肌が健康でないといけませんよね。
早い時期から納得感を持ってケアができていれば、本格的にメイクをはじめる大学生くらいになったときに自由度が上がるし、悩みが生まれても解決しやすくなるはずです。

――メイクやスキンケアが、家庭内教育のいいきっかけになり得るかもしれませんね。


友利先生が監修した書籍『No.1おしゃれ ヘアメイク&スキンケアLesson』は、子ども自身に肌や髪を大切にしてもらいたいという想いが込められたやさしい指南書。メイクに憧れるお子さんへプレゼントするのもおすすめです。

インタビュー後半では、子どもが思春期に入る前の時期にこそ必要なスキンケアについて伺った内容などをお届けします。

【監修者紹介】
友利 新(ともり・あらた)

沖縄県宮古島市生まれ。東京女子医科大学卒業。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科医に。現在は、都内のクリニックで勤務しながら、テレビ、雑誌、SNSなどで健康や美容に関する情報を発信している。著書に『女医が教えるキレイのとっておき読む友利新チャンネル』(飛鳥新社)、監修に『皮膚科医友利新先生が娘に伝えたい美容の話』(小学館)など。

YouTube:youtube.com/@aratatomori/join

 
【取材・文】
酒井絢子(さかい・あやこ)
フリーランスライター。クラフトからキャリア系までジャンルは問わず幅広く執筆活動中。

 
【書誌情報】
小学生女子に大人気〈No.1シリーズ〉
『No.1おしゃれ ヘアメイク&スキンケアLesson』
監修:このみ、友利新


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