チャンネル登録者数150万人超。オガトレさんの新著に込めた思い、そして壮大なミッションとは

新刊『ガチガチポイントに直に効く！ オガトレ式最速ストレッチプログラム』発売記念・特別インタビュー（全３回連載のうち３回目）

取材・文：小林　由佳　撮影：天野　憲仁（日本文芸社）

新著には、動画には無いヒントが？

「体が硬くて困っている人をゼロにしたい」を自らのミッションに課し、これまでもあらゆるストレッチを紹介してきたオガトレさんは、動画で語り尽くせないことを、この新著にたっぷり詰め込んでいるそうです。書籍とはいえ、一連の流れのあるストレッチには動画を視聴できるQRコードがついている点も魅力です。

――今回の新著は、どんな人に向いているんですか？

「この本では、体の硬い人のためのストレッチプログラムを紹介しています。体が硬くなる原因は生活習慣のクセなので、それに気づきケアしていくことで、誰でも体は柔らかくなります。ストレッチが嫌いとか、ストレッチに挫折した人ほど読んで欲しいですね」

――既に500本以上の動画配信をされているから、『オガトレ』ファンは知ってる内容なんですか？

「動画と書籍は全く違います。YouTube動画は、出来るだけ多くの人に見続けてもらうことを第一に作っています。そのために１本の試聴時間や解説も厳選しなければならず、伝えたいことが沢山あっても引き算していかなければなりません」

――動画では全てを語り切れないと？

「やり方は大事、効果も大事。でも、もっと大事なことっていっぱいあるんです。たとえばお尻のストレッチで、膝の角度をこうしたほうがもっと伸びるとか、上手く出来なかったら膝の位置をこう変えてみてとか、このストレッチで伸びるのはお尻のこの部位で、ここのストレッチが大事な理由はこうで……とか。ちゃんと理解して習得してもらうために伝えたいことはいっぱいあるんです」

――動画はやむを得ずダイジェスト版になりがちだと……。

「動画中の解説は“ノイズ”だと考えています。だって、細かい説明を入れた長時間の動画では、皆さん途中で飽きてしまいますよね？　だから短時間で分かりやすくするために、僕が本当にお伝えしたいことの10％くらいしか言えてない。毎回これがもどかしくて（笑）」

――すると、この新著には動画で割愛されていることも入ってるんですね。

「この本には、僕がお伝えしたいことの半分以上が詰め込まれています。ストレッチビギナー向けですが、これまで『オガトレ』を見ている方なら、さらに理解しやすい内容だと思います。１週間プログラムは、テニスボール１個、または普通のタオルが１枚あれば始められます。肩こり、腰痛、姿勢が気になる、どこかが凝っているなど、どんな人にも役立つメソッドで、未病予防医学ともいえます」

利他的なオガトレマインドは、地域貢献にも

――海外向けに作られたストレッチ動画もあるそうですが、ストレッチへの関心は万国共通なんですか？

「全然違いますよ。たとえばアメリカのようなセルフケアを好む国にはストレッチ系メディアが多い一方、台湾や東南アジアなどは、自分でやるストレッチへの注目度が低いと感じます。安くて手軽なマッサージ店がたくさんあるから“人に治してもらう”という感覚が強いのかな。国によってストレッチに対する理解が違うのは面白いです」

――海外からどんな反応があるんですか？

「風情ある古民家で撮影した動画には“Beautiful！”ってコメントがつきました（笑）」

――そっちですか（笑）

「それなら今度は日本の絶景の前で撮ろうかと（笑）　     英語、スペイン語、ヒンディー語などに翻訳しているため、[1] 海外の視聴者からは“あなたの説明はとても分かりやすい”とか“このストレッチは腰痛に効くか”などのコメントもありました」

――国内向けでも、色々なロケ地でストレッチ動画を撮っていますね。

「これまでの配信であらゆるストレッチを紹介してきたので、たとえば同じ目的のストレッチでも、シーンを変えたり、旅先で撮ることもあります。毎日見てくださる方が飽きないよう、バリエーションを増やしていきたい。視聴者の皆さんが飽きずに続けられるよう工夫しています」

――東北ゴールデンエンジェルスとのコラボ企画や、仙台うみの杜水族館で撮影したストレッチもありますね。地元の宮城県推しなんですか？

「僕はめちゃくちゃ地元愛が強い。気仙沼市が大好きです（笑）。東日本大震災以来、気仙沼市は人口減少が続いているので、それを解決したくて……」

――ストレッチで地域貢献を？

「いえ。動画配信とは別事業、尾形竜之介として、地元の地産品販促に力を入れたいと思っています。働き手が減って経営難になった事業を買い取り、新たな事業を作ってまた雇用を生み出したい。ヘルシー、エシカルをキーワードに、気仙沼市の素晴らしい地産品を使った商品を紹介したいと思っています。宮城県で生まれ育っても、東京に行ってしまう人がとても多いんです。僕は地元の子ども達に、ここでもちゃんと仕事ができるという背中を見せて行きたい。これは僕がYouTube配信を選んだ理由でもあります」

――では、これからは気仙沼市の地産品をネットで探しつつ、ストレッチを……。[2] 

「そうですね……TVやスマホを見ながらの“ながら”ストレッチも全くNGでは無いけれど…。ただ、ガチガチとは一生の付き合いですから、ストレッチを継続するためには、その行動に“楽しい”とか“ためになる”というような指針があった方が良いと思います」

――ストレッチという行為をどう捉えるか？

「楽しいから続けるという点では、TVやスマホを見ながらでもいいと思いますが、“今は問題なくても、将来何かトラブルが起きるかもしれない”という意識が大切です。将来の健康リスクを減らすために、体の柔軟性や筋力を保つ必要があります。健康寿命をのばしていくために、今、体の柔軟性や筋力を養っていくことは、未来への貯金だと考えてください」。

終

（チャンネル登録者数150万人超えのYouTubeチャンネル『オガトレ』ユーチューバー・オガトレさんロングインタビュー【前編】に戻る）

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