没入体験が日本を変える!劇団が手がける「エンタビ」が地方創生の救世主に

観光は「観る」から「体験する」へ進化する

今、日本の観光地は、深刻な社会課題に直面しています。地方の過疎化や、観光客の集中によるオーバーツーリズム。そんな中で、国土交通省や観光庁は、地方への誘客と地域独自のコンテンツ開発の必要性を訴えています。

しかし、多くの地方博物館や文化施設は来館者数が伸び悩み、閉館に追い込まれるケースも少なくありません。その一方で、日本交通社の調査では「現地ツアー・体験プログラムへの参加」が、唯一増加傾向にある観光目的として注目されています。観光客は、ただ景色や展示を眺めるだけでなく、より深く地域に関わる体験を求めているのです。

劇団×旅行会社が仕掛ける新ジャンル「エンタビ®」

この課題に立ち向かうのが、日本で唯一の「劇団が経営する旅行会社」、プレイング株式会社です。代表の山本知史氏は、長年のツアーガイド経験と劇団運営のノウハウを融合させ、**観光客が物語に巻き込まれる体験型ドラマアトラクション『エンタビ®』**を開発しました。

これは、観光施設や地域資源を舞台に、地元の人々が演者となって、その土地に根ざした物語を演じる**「没入型観光」**という新しいジャンルを開拓するものです。観光客は単なる観客ではなく、物語の登場人物として参加し、ストーリーを進めていきます。

地域資源を活かし、人の心を動かす

『エンタビ®』の最大の特徴は、**「その土地ならではの物語」を脚本化し、「地元の人々」**が出演することで、観光客が自然に地域文化に触れられる構造にあります。この取り組みは、コロナ禍で閉鎖された観光施設を舞台にした実証実験から始まり、今では以下のような場所で成功を収めています。


観光施設のロビーに集まった観光客に向け、役者が語り掛ける


劇中のゲームに協力する観客


猫になりきり身を潜めて少女に近づく観客

  • 歴史・文化施設: 兵庫県立兵庫津ミュージアム『バトルインヒョウゴノツ』

    兵庫県立兵庫津ミュージアムで開催され、大人気を博したエンタビ(R)「バトルインヒョウゴノツ」
  • 文学・記念館: さかい利晶の杜(与謝野晶子記念館)『和菓子を食べた猫』

    実証実験の場となった、与謝野晶子の記念館さかい利晶の杜で開催されたエンタビ(R)「和菓子を食べた猫」
  • 大型児童施設: 堺市立大型児童館ビッグバン『スペースラビリンス』

参加者からは「伊藤博文になるとは思わなかった」「子どもの知らない姿を見れた」といった感動の声が寄せられており、観光客だけでなく、施設や地域の人々にも新たな価値を生み出しています。

奈良・名古屋での開催が決定!

この成功を受け、『エンタビ®』は地元大阪を飛び出し、奈良と名古屋での開催が決定しました。

  • 奈良:平城宮跡歴史公園 平城宮いざない館 で、**「平城遷都誘宵記」**と題したイベントが開催されます。観光客は奈良時代の天平衣装を身にまとい、歴史的登場人物と関わりながら物語を楽しめます。2025年10月4日から無料で参加可能です。
  • 名古屋: 名古屋市内の商店街でも、2026年冬に開催が予定されています。

『エンタビ®』が描く日本の観光の未来

『エンタビ®』は、単なるエンターテイメントではありません。コンテンツがあるのに活用されていない観光地、施設があるのに知られていない地域の課題を解決し、地域の活性化に貢献する新たな一手となりえます。

「観る」から「体験する」へと変化する観光のニーズに応えることで、日本の観光業は新たなフェーズへと進むでしょう。今後、全国の観光地や自治体で『エンタビ®』が導入されれば、日本の観光の未来は大きく変わるかもしれません。

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