クジャクのきれいな飾り羽は「繁殖期が終わると全部抜ける」【眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話】


クジャクのきれいな飾り羽は繁殖期が終わると全部抜ける
飾り羽は求愛のための必須アイテム
鳥類の世界には、色鮮やかな美しい羽を持った鳥がたくさん存在しますが、ひときわ目を引くものにクジャクが挙げられます。動物園では必ずといっていいほど見かけるうえに、その存在感のある姿に強い印象を持っている人も多いはずです。そんなクジャクですが、 実は日本には生息していない外国の鳥なのです。 クジャクの仲間にあたるキジやヤマドリは、日本の自然の中にも生息しています。
誰もが目を奪われる、ゴージャスな美しい羽。 これは飾り羽と呼ばれていますが、「上尾筒」という尾羽の付け根部分を覆う羽が変化したものです。つまり、飾り羽は尾羽ではないのです。
飾り羽はメスにはなく、オスのクジャクだけにあります。繁殖期になるとオスのクジャクは飾り羽を広げて、メスに猛アピール。 これは求愛行動の一環であり、 羽の美しさによって健康状態や遺伝子の資質をメスに伝えることができるとされています。
また、飾り羽は繁殖期が終わると徐々に抜けていき、10月頃にはすべてなくなってしまいます。あのゴージャスな羽が見られるのは3〜7月の繁殖期の間だけなのです。 美しい飾り羽を持ったクジャクを見たいならば、ぜひ繁殖期を狙って動物園に駆けつけてみましょう。
飾り羽は繁殖期のオスだけが持つ
美しい飾り羽を持つのは3〜7月の繁殖期のオスだけ。 繁殖期が終わると飾り羽が抜け落ち、さっぱりした姿に。 メスには飾り羽がなく、体色もオスより落ち着いています。

飾り羽はなんのためにある?
飾り羽は、 主に繁殖期にオスがメスに求愛するために使われています。 そのほか、縄張りを主張する示威行動にも使われます。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話』監修:小宮輝之
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話』
監修:小宮輝之
飼うこと、食べること、動物園・水族館・花鳥園などでの鑑賞、身近にいる野鳥など、寿命が長い上、インコやオウムなどは話したり、歌ったりとコミュニケーションもとれることから、日本には愛鳥家も多く鳥関連のイベントも定期的に開催されており、動物類のなかでもコアファンが多い生き物です。
鳥類は恐竜時代から大量絶滅を唯一生き延びた動物のため、歴史も古く、進化の過程で飛ぶ・飛ばないをはじめ、大きさや形、色、生息地域も異なり、外見も内面も個性豊か。
社交性も高い上、カラスやオウムなどは知能も高く、行動学の観点でも面白い特徴が多く見られます。
「約1万種類いる鳥類の半分はスズメの仲間」
「鳥の祖先は、結局恐竜なの?」
「鳥に歯はない。くちばしは骨?角質?」
「カラスは家族のためなら、友情は簡単に裏切る」
「スグロミツドリは“右半身がオスで左半身がメス”」
「カメは万年、ツルは千年 ツルの本当の寿命は30年」
「おしどり夫婦の由来であるオシドリは普通に浮気する」
「ダチョウは家族が入れ替わっても気付かない」
「ハゲワシがハゲているのは、ちゃんとした理由がある」などなど
そんな鳥たちの意外な生態や知られざる雑学が詰まった子どもから大人まで幅広く楽しめる一冊です。
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