ヒラメは肉食系!? 目だけじゃないカレイとの見分け方【眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話】


目の位置よりも「口」に注目
そっくりな見た目でよく間違えられる「ヒラメ」と「カレイ」。両方とも目が中心から偏っている魚として知られていますが、生まれて約2週間は偏っていないため、見分けがつきません。大きくなるにつれて、次第に目の位置が偏っていくのです。
まるで一卵性の双子のように見えるほどそっくりな彼らですが、見分けるにはコツがあります。まずひとつ目は「目」の位置。「左ヒラメに右カレイ」とよくいわれるように、目を上にするように板の上に置くと、ヒラメは左を向き、カレイは右を向きます。つまり、目がどちらに偏っているかで見分けることができるのです。しかし「ヌマガレイ」など左向きのカレイも一部いるので注意が必要。
2つ目の見分け方は「口」の大きさです。ヒラメのエサはアジなどの小魚で、噛みつくために大きな口にキバが生えています。一方、カレイのエサは砂の中にひそむイソメで、麺をすするような小さなおちょぼ口が特徴。ヒラメはガブッとアジに噛みつくワイルドな性格に対し、カレイはおちょぼ口で静かにエサを探す様子がうかがえるのです。ちなみに、運動量が多いヒラメはコリコリとした食感が特徴で寿司や刺身に最適。そしてカレイはふっくらとした柔らかい食感で、煮つけや揚げ物に適しています。
生まれたときは体の両側に目がある
ヒラメもカレイも生後2週間は普通の魚と一緒で目の位置に偏りはない。

大きくなるにつれて、ヒラメは両目が左側に、カレイは両目が体の左側に寄ってくる。
食事の仕方でわかる性格の違い
見分けるコツは口にあり!
大きな口にギザギザとしたオオカミのような歯があるのはヒラメ。
小さめのおちょぼ口をしているのがカレイだ。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』監修:さかなのおにいさん かわちゃん
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』
監修:さかなのおにいさん かわちゃん
食べること、飼うこと、水族館などでの鑑賞など、日本人にとって身近な生物の“魚類”。
魚類は生き物にしては珍しく、大きさや形、色、生息地域もさまざまなので、個体ごとの身体的特徴も大きく変化します。
また、食用としての魚と観賞用としての魚、漁業などのビジネスとしての魚では注目するポイントが異なるため、色んな角度から見ることができる面白い生物です。
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「カニみそは脳みそではなく、肝臓や膵臓にあたる部位」
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