地球のたった1%の水域に50%の魚!淡水魚のたくましい生態とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話】

ペットとしても親しまれる淡水魚

河や池で、ゆったりと泳ぐコイの姿を目にしたことがある人も多いでしょう。このコイのように、河や湖など塩分濃度の低い水域に生息する魚は「淡水魚」と呼ばれます。

サケやウナギなど、一生のうちに海と河を行き来する「通し回遊魚」を除けばほとんどの淡水魚は海水で生きることはできません。そのため、海を通って別の河へ移動することも困難です。淡水魚は、与えられたそれぞれの生息環境に適応する形で進化してきたのです。

たとえば、流れの速い河に棲む魚は水の抵抗を受けにくい流線形の体を持っている一方で、ナマズのように流れのゆるやかな河や湖沼に生息する魚は、ゆったりと泳ぐのに適した体つきになりました。また、デンキウナギのように独自の進化を遂げた種も多く見られます。

淡水魚が生息できる淡水域は、地球全体の表面積のわずか約1%にすぎません。それにもかからず、全世界の魚の約50%が淡水魚であるといわれています。限られた環境に適応した結果、さまざまな種が生まれたのです。

そんな淡水魚は古くから人間に飼育され、品種改良も盛んに行われてきました。身近な淡水魚の一種である金魚は、フナの突然変異をもとに改良された種です。現在まで、ペットとしても淡水魚は人々に親しまれています。

主な淡水魚の特徴

エラから塩分を吸収

浸透圧の影響で体に水が入ってくるため、水を飲まない。

エラから塩分を吸収し、尿によって余分な水分を排出している。

海水NG の淡水魚たち

ほとんどの淡水魚が海には入れない。

一部を除き海に出ることはできず、生まれた場所で生涯を過ごす。

河の環境と適応する魚たち

急流

流れの速い河など。泳ぐ力の強い魚や、吸盤を使って岩に張りついて過ごす魚が多い。

緩流

流れのゆるやかな河など。大きな体を持ち、ゆったりと泳ぐ魚も暮らす。

湖沼

沼や湖、池などの淡水が溜まった場所。特異な環境で固有種が多く棲む場所もある。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』監修:さかなのおにいさん かわちゃん

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』
監修:さかなのおにいさん かわちゃん

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食べること、飼うこと、水族館などでの鑑賞など、日本人にとって身近な生物の“魚類”。

魚類は生き物にしては珍しく、大きさや形、色、生息地域もさまざまなので、個体ごとの身体的特徴も大きく変化します。
また、食用としての魚と観賞用としての魚、漁業などのビジネスとしての魚では注目するポイントが異なるため、色んな角度から見ることができる面白い生物です。

「最古の魚は5億年前! 魚類の誕生と進化」「魚は何を食べる?」
「カニみそは脳みそではなく、肝臓や膵臓にあたる部位」
「シーラカンスが絶滅しなかったのは、味が激マズだったから!?」
「クジラ界にも「ヒット曲」があり、世界中の海で流行る」などなど
そんな魚のあらゆる疑問や意外な生態、誰かに教えたくなる雑学が詰まった子どもから大人まで幅広く楽しめる一冊です。

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