狙撃魚テッポウウオ、努力で身につけた驚異の技術とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話】

周りの大人から狩りを学ぶ

銀色の体に黒いしま模様が特徴的なテッポウウオ。熱帯地域のマングローブなどに生息し、日本では西表島でも確認されている魚です。その名の通り、口から水鉄砲のように水を噴射し、昆虫などのエサを打ち落とす特殊能力を持つツワモノ。その姿はさながらスナイパーのようです。

テッポウウオの口を見てみると、上あごに細い溝があり、これに舌を当てることでチューブのような管になります。この管の部分に口に含んだ水を通過させて勢いよく飛ばし、獲物を撃ち落とすというワケです。

命中率はかなりのもので、1.5m離れた獲物でも正確に撃ち落とすほど。しかも水中にいるテッポウウオは、光の屈折も見越して標的に狙いを定めているのですから驚きです。

とはいえ、さすがのテッポウウオも、生まれつき狙撃のスキルが高いわけではありません。子どもの頃は命中率が低いのですが、繰り返し試行錯誤することで身につけていくのです

このような特殊能力を持つテッポウウオですが、実は水面にいるアメンボや水中の小魚やエビも食べており、水面からジャンプして獲物を捕らえることもできます。

なぜ、必須とはいえない水鉄砲のスキルを獲得するよう進化したのかは、解明されていません。

”水鉄砲”に早変わりする口のしくみ

上あごには細長い溝があり、これに舌を押しつけることで管状になる。獲物を見つけるとエラぶたを閉じ、管状の部分に口に含んだ水を通過させて勢いよく飛ばして撃ち落とす。

光の屈折も見越した狙撃スキル

水中にいるテッポウウオに見えているエサの位置は、光の屈折により実際の位置からズレている。したがって、このズレを踏まえて狙いを定める必要がある。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』監修:さかなのおにいさん かわちゃん

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』
監修:さかなのおにいさん かわちゃん

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