数十年前に人間のせいで絶滅してしまったクマがいる!?【眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話】


数十年前に人間のせいで絶滅してしまったクマがいる
消えてしまった大型のクマ
地球にはかつて、今では見ることのできない多くの種類のクマたちが暮らしていました。
旧石器時代にヨーロッパに存在した「洞窟グマ」は、その名の通り洞窟にすむクマでしたが、約2万4000年前に絶滅。北アメリカには「ショートフェイスベア」という、立ち上がれば3mを超える巨体を持ち、草原を駆け抜ける四肢の長いクマが存在していましたが、これも約1万年前に姿を消しました。
ただし、絶滅ははるか昔の話とは限りません。アメリカ西部の「カリフォルニアグリズリー」は開拓時代、家畜を襲う“害獣”とされ、1920〜1930年代に絶滅。メキシコ北部にすんでいた「メキシコグリズリー」も、1960年代には野生から姿を消しました。
そして現在、絶滅の危機に瀕しているのがホッキョクグマです。広い氷原でアザラシを捕らえて命をつないできたこの白いクマは、急速に数を減らしています。その原因とされているのが、地球温暖化です。これによって北極の海の氷が年々薄くなると、アザラシの呼吸穴を利用した狩りの足場が減ってしまいます。
ちなみに近年の研究では、このまま温暖化が進むことになれば、2100年ごろには野生のホッキョクグマが絶滅する可能性があるともいわれています。
近代になって絶滅したクマたち
カリフォルニアグリズリー

● 生息地|アメリカ西部
● 体 長|約2.4〜2.7m
● 体 重|約400〜800kg
● 絶滅した年代|1920〜1930年代
非常に大型で獰猛だったクマ。カリフォルニア州旗のモチーフになっている。
メキシコグリズリー

● 生息地|メキシコ北部
● 体 長|約2.1〜2.4m
● 体 重|約200〜360kg
● 絶滅した年代|1960年代
灰色がかった毛並みをしていたことから、シルバーグリズリーとも呼ばれていた。
次に絶滅するのはホッキョクグマ・・・・・・?

地球温暖化によって、海氷が急速に減少している北極。主なエサであるアザラシも減っていて、このままだと2100年ごろに絶滅する可能性があるといわれています。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』監修:山﨑晃司
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』
監修:山﨑晃司
世界中数多くの動物園で飼育され、アニメや漫画、ファンシーキャラクターのモチーフとしても起用されることの多い人気の動物「クマ」。
最近では日本全国で目撃が相次いで発生したり、温暖化の影響で冬眠をしないクマも確認されたりすることから、話題に事欠かない今大注目の動物です。
しかし、ペットとして飼うことは難しく、ときに人を襲う恐ろしい側面も持ち合わせるクマ。
それなのになぜ人間にとって馴染み深く身近な存在に感じるのでしょうか。
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愛玩動物、猛獣、食用、ワーキングアニマルなど、さまざまな角度からクマの生態と特徴を解説し、クマの知られざる魅力に迫ります。
これを読めばクマのことがもっと好きになること間違いなしの一冊です。