ゴミを山に捨ててはいけない… クマの食に関する記憶力が恐ろしいワケ【眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話】

クマは一度覚えた味を忘れない? 食に関するバツグンの記憶力
「この場所=食べ物」という明確な記憶
クマは一度口にした食べ物の味やにおい、そしてそのときの場所や状況までを、しっかりと覚えているといわれています。たとえば、人里で拾い食いをした経験があるクマが、翌年も同じ場所に現れたり、キャンプ場やゴミ置き場に繰り返し出没するようになったり─そんな行動が実際に各地で報告されています。これは偶然ではなく、「この場所=食べ物があった」という明確な記憶と学習に基づく行動です。
特に、高カロリーでにおいの強い食べ物は、クマの記憶に強く印象づけられやすいとされており、一度でも人間の食べ物を味わってしまうと、その”美味しい記憶”が行動の原動力になってしまうのです。
長野県のNPO法人「信州ツキノワグマ研究会」によると、餌づいたクマは特定のゴミ捨て場や農作物のある場所に繰り返し出没する傾向があると報告しています。また、アメリカの野生動物研究でも同様の傾向が確認されており、人間の食べ物を学習したクマが、再び同じエリアに姿を現す例が多数記録されています。
このような学習行動は、野生での生存戦略として非常に合理的ですが、人間の生活圏で発揮されると、「あそこに行けば食べられる」と記憶したクマが戻ってくる原因になり、人との深刻な衝突へとつながってしまうのです。
クマは味を覚える天才
クマの記憶力はとても優れており、一度口にした食べ物の味やにおい、そしてそのときの場所や状況までを、しっかりと覚えています。何度も同じクマが出現するニュースなど、これは偶然ではなく「食べ物があった場所」の明確な記憶と学習に基づく行動なのです。

クマはどうやって“覚える”のか?
①食べ物との出会い(におい・味)
高カロリーでにおいの強い食べ物は、クマの記憶に強く印象づけられやすいとされている。

②それに関連する情報(場所・状況)を記憶
食べた内容だけでなく、におい・場所・状況をセットで記憶する。

③再び訪れる行動(再訪)
一度でも人間の食べ物を味わってしまうと、その“美味しい記憶”が行動の原動力になってしまう。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』監修:山﨑晃司
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』
監修:山﨑晃司
世界中数多くの動物園で飼育され、アニメや漫画、ファンシーキャラクターのモチーフとしても起用されることの多い人気の動物「クマ」。
最近では日本全国で目撃が相次いで発生したり、温暖化の影響で冬眠をしないクマも確認されたりすることから、話題に事欠かない今大注目の動物です。
しかし、ペットとして飼うことは難しく、ときに人を襲う恐ろしい側面も持ち合わせるクマ。
それなのになぜ人間にとって馴染み深く身近な存在に感じるのでしょうか。
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愛玩動物、猛獣、食用、ワーキングアニマルなど、さまざまな角度からクマの生態と特徴を解説し、クマの知られざる魅力に迫ります。
これを読めばクマのことがもっと好きになること間違いなしの一冊です。
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