大人も効果あり!? クマのぬいぐるみで自己肯定感がアップするワケ【眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話】

クマのぬいぐるみを抱くとストレスが消える?
落ち着きたいときの必需品
クマのぬいぐるみを見たり、抱きしめたりすると、なぜか心がほっとする─そんな経験がある人も多いのではないでしょうか? 心理学では、子どもが肌身離さず持ち歩き、不安を和らげる効果のあるもののことを「移行対象」といいます。テディベアは移行対象の代表的な例ですが、近年では大人に対しても同様の効果があることが研究で明らかになりました。
たとえば、2012年にオランダで行われた研究では、孤独や不安を抱える被験者がテディベアを抱いたとき、自己肯定感が回復し、社会的ストレスへの耐性が向上しました。被験者がぬいぐるみに触れたあと、「自分の人生に価値がある」といったポジティブな自己認識を持つ傾向が強まったと報告されています。
さらに、ぬいぐるみを抱くと「愛情ホルモン」として知られるオキシトシンの分泌が促されるという生理学的な研究報告もあります。オキシトシンは安らぎや幸福感をもたらす作用があるとされ、これはぬいぐるみが癒やしの存在である背景を裏づける事実だといえるでしょう。
テディベアがもたらす安心感には、単なる可愛さだけではなく、心理学と生理学に基づいた根拠があります。ストレスの多い社会において、テディベアこそが私たちに寄り添ってくれる優しい相棒なのかもしれません。
ぬいぐるみが心を落ち着かせるメカニズム
不安を和らげるだけでなく、安らぎと幸福感をもたらし、自己肯定感を回復させるテディベアは、大人にとっても癒やしの存在なのです。

なぜクマが選ばれるの?
● 幼さのある顔のため、人間の赤ちゃんや幼い動物を愛らしく感じる「ベビースキーマ」という現象を起こしやすい。
● 誰にでも好かれやすい中性的な特徴が、人間の「守ってあげたい」という本能を刺激する。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』監修:山﨑晃司
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』
監修:山﨑晃司
世界中数多くの動物園で飼育され、アニメや漫画、ファンシーキャラクターのモチーフとしても起用されることの多い人気の動物「クマ」。
最近では日本全国で目撃が相次いで発生したり、温暖化の影響で冬眠をしないクマも確認されたりすることから、話題に事欠かない今大注目の動物です。
しかし、ペットとして飼うことは難しく、ときに人を襲う恐ろしい側面も持ち合わせるクマ。
それなのになぜ人間にとって馴染み深く身近な存在に感じるのでしょうか。
「クマは大体力士2人分の重さ」「死んだふりは意味ある?クマに出会ったときの対処法」
「ホッキョクグマは皮膚が真っ黒で毛が透明?」「年々増加している“新世代クマ”って!?」
「イエティとビッグフットの正体はクマ?」
愛玩動物、猛獣、食用、ワーキングアニマルなど、さまざまな角度からクマの生態と特徴を解説し、クマの知られざる魅力に迫ります。
これを読めばクマのことがもっと好きになること間違いなしの一冊です。
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