都市伝説の正体はクマだった? 現代科学で解き明かした自然界の”誤解”【眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話】

イエティとビッグフットの正体はクマ?

自然界の”誤解”が生んだ伝説

 雪山に現れる謎の巨大生物”イエティ”や、北アメリカの森に潜むとされる”ビッグフット”。この手の目撃情報は世界中で語り継がれてきた都市伝説の代表格ですが、近年、科学的な視点からある説が浮上しています―「その正体はクマだったのでは?」というものです

 たとえばヒマラヤ山脈にすむとされるイエティ。長い腕、二足歩行、残る大きな足跡……。まるで原始人のような存在として描かれてきました。しかし2014年、オックスフォード大学のブライアン・サイクス博士らの研究チームが、イエティとされる毛髪や骨のサンプルをDNA解析したところ、ヒグマやホッキョクグマなどのクマと一致したという研究結果を発表。つまり、神秘の生物と思われていた存在が、実はそこにすむ”ごく普通のクマ”だった可能性が高いというのです。

 同様に、北アメリカで語られるビッグフットについても、クマが二本足で立ち上がった姿を見間違えたという説が有力です。実際、ヒグマやアメリカクロクマは短時間なら二足で歩くことができ、その姿は不意に出会えばかなりのインパクトがあります。

 また、人里近くの監視カメラに写った「謎の影」も、よくよく確認するとクマのうしろ姿だったという検証動画も存在します。

都市伝説×クマ=?

特徴①

雪に残る大きな足跡

特徴②

太くて長い腕が特徴

特徴③

立ち姿がクマと似ている

DNA解析で判明!? 毛の正体は……

2014年にオックスフォード大学の研究チームが、ヒマラヤ山脈で採取されたイエティとされる毛のサンプル2種類をDNA解析したところ、ひとつはヒグマなどのクマと一致したという研究結果を発表。さらに、もうひとつのサンプルでは、約4万年前の古代のホッキョクグマのDNA と一致するという結果も得られました。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』監修:山﨑晃司

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』
監修:山﨑晃司


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世界中数多くの動物園で飼育され、アニメや漫画、ファンシーキャラクターのモチーフとしても起用されることの多い人気の動物「クマ」。
最近では日本全国で目撃が相次いで発生したり、温暖化の影響で冬眠をしないクマも確認されたりすることから、話題に事欠かない今大注目の動物です。

しかし、ペットとして飼うことは難しく、ときに人を襲う恐ろしい側面も持ち合わせるクマ。
それなのになぜ人間にとって馴染み深く身近な存在に感じるのでしょうか。

「クマは大体力士2人分の重さ」「死んだふりは意味ある?クマに出会ったときの対処法」
「ホッキョクグマは皮膚が真っ黒で毛が透明?」「年々増加している“新世代クマ”って!?」
「イエティとビッグフットの正体はクマ?」
愛玩動物、猛獣、食用、ワーキングアニマルなど、さまざまな角度からクマの生態と特徴を解説し、クマの知られざる魅力に迫ります。
これを読めばクマのことがもっと好きになること間違いなしの一冊です。

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