「やぎ算」で論理力が爆上がり!? ビジネスにも使える算数の考え方とは【眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学】

仕事で役立つ算数の問題

論理的な考え方ができるようになるために

ニュートン算は算数や数学に登場する文章題のひとつです。ある仕事を仕上げるための仕事量と時間との問には反比例の関係が成りたち、時問や仕事量を求める「仕事算」と似ている部分がありますが、「ニュートン算」は、作業をしている問にも仕事量が増えたり、仕事量が減ったりするといった条件が加わるのが特徴です。

「 Aさんが一人で1日3時間作業すると12日間で終わる仕事があります。今度はAさんが一人で1日4時間作業をすると、この作業は何日間で終わりますか?」という問題で考えてみましょう。

Aさんの仕事量は3×12で36の仕事量であることがわかります。これを4時間で作業をすると36÷4で9となり、9日間で作業は終了します。

これは仕事量と作業時間が反比例の関係になっています。これが「仕事算」です。

このような「仕事算」で求められる問題に、作業する人数や仕事量が途中変化する条件が加わったものがニュートン算の特徴です。

問願を紹介しましょう。

「ある広場では、草が一定の割合で伸びています。やぎを活用して除草しようと思います。やぎ2頭では15日間で草がなくなり、 3頭では9日間で草がなくなります。やぎ5頭では何日間で草がなくなりますか?

仕事で役立つ算数の問題

「ニュートン算」のような算数の問題の考え方は、サラリーマンの世界などでは、知らず識らずのうちに使われているのです!

問題では一定の割合で草は伸び、その草をそれぞれのやぎが一定の量を食べ続けるという場面を想定しています。

抽象的な思考で、ロジカルに順序だてて解いていくと、下記のようになります。

ニュートン算と呼ばれるようになったのは、アイザック・ニュートンが1687年に刊行した『自然哲学の数学的諸原理(プリンキピア)』という書物の中で、ニュートン算の原型となるような問題を発表したからだ、とされている説があります。

仕事で役立つ算数の問題

この問題は次のような図をもとにして考えていきます。

やぎ1頭が1日に食べる量を【1】と仮定します。

①やぎ2頭で15日間で食べた草の量
【1】×2×15=【30】

②やぎ3頭で9日間で食べた草の量
【1】×3×9=【27】

①と②により、6日間で伸びた草の量は、
【30】-【27】=【3】
【3】÷6=【0.5】が1 日で伸びた草の量

はじめの草の量は、【30】-【0.5】×15=【22.5】

1日【0.5】の割合で伸びる草を除くには、やぎを0.5頭あてればよいことがわかります。
5頭のやぎがこの仕事を始めたとすると、最初の【22.5】の草を食べるには、5 - 0.5 = 4.5で、4.5頭必要になります。
【22.5】÷ 4.5 = 5

答えは5日間となります。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学』監修:小宮山 博仁

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学』
監修:小宮山 博仁


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