豊作祈願の歴史をたどる! 日本の米にまつわる祭りと伝統行事【眠れなくなるほど面白い 図解 米の話】


豊作祈願! 日本の米に関する祭りと伝統行事
神様と稲を結ぶ日本の祭り
日本人の暮らしと深く結びついてきた米。その歴史は、ただの食べ物という以上に、自然と人、神様と命をつなぐ〝結び目〟としての意味を持っていました。日本各地で行われてきた稲作の祭りは、神に祈り、稲に感謝し、ともに生きるという心の表れでもあったのです。
春の田植えに合わせて行われる「御田植祭」では、神社の神田で白装束の早乙女たちが田植えを行い、五穀豊穣を願います。大阪府の住吉大社や三重県の伊勢神宮などでは、神楽や踊りが奉納され、田んぼに神を迎える神聖な時間が流れます。こうした行事は、農業が自然とともにあるという感覚を今に伝えているのです。
秋になると、収穫の喜びとともに「新嘗祭」が各地で営まれます。とくに11月23日に宮中で行われる新嘗祭は、天皇が新米を神に供え、国の安寧と五穀豊穣を祈る由緒ある儀式です。この日は現代では「勤労感謝の日」としても知られていますが、その由来は豊かな実りへの深い感謝にあります。
こうした中央の神事だけでなく、地域にも多彩な行事が息づいています。たとえば、京都府の伏見稲荷大社では「抜穂祭」が行われ、神田での収穫が神にささげられます。島根県の出雲大社では「献穀祭」として、選ばれた農家の米を神前に供える儀式が続いています。
稲作とともに暮らす! 春から秋までの米の祭り

豊作祈願や稲の収穫祭からはじまった祭り

京都府の祇園祭
豊作と災厄除けの両面をもつ日本三大祭のひとつ。
大阪住吉大社の御田植祭
農業の大切さを伝える行事としても継承
秋田竿燈まつり
江戸時代にはじまった、稲穂に見立てた竿燈(かんとう)を掲げて豊作を祈る行事。

運動会が秋に行われるのも、秋のお祭りの延長です。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 米の話』著:トキオ・ナレッジ
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 米の話』
著:トキオ・ナレッジ
スーパーなどでの米不足、転売、価格高騰などで、ニュースやワイドショーでここ最近毎日のように取り上げられる今いちばんのホットトピック「米」。
備蓄米の放出により、古米がスーパーやコンビニで置かれるようになりましたが、味や品質、衛生面、値段、美味しく食べる方法など、普段何気なく食べていた米について興味をもって調べる人が増えてきました。
また、近年糖質制限という逆風もある一方で、健康志向や和食ブームの高まりにより「米」の再評価も進んでいます。
本書は、私たちの食卓に欠かせない「お米」にまつわる知識・文化・歴史・雑学などを、図解を交えてわかりやすく、楽しく紹介する教養本です。
「“令和の米騒動”はひとつの原因では語れない」
「年々減少する米の消費量 それでも起こる米不足」
「備蓄米ってなに? 米に消費期限はないの?」
「外国米が日本市場になかなか入れない理由」
「炊飯器に放置された保温状態の米の消費期限は?」
「白米より栄養価アップ!今人気の分づき米とは」などなど
読めば誰かに話したくなる米知識が詰まった一冊です。
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