現在も生存調査が実施されている、人間の恐怖心から絶滅へ追い込んだオオカミとは【眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話】

人間から必要以上に恐れられ次々に殺された「フクロオオカミ」

【フクロオオカミ DATA】
分類:哺乳類
絶滅時期:1936年
生息地:オーストラリア

家畜を襲うため恐怖の対象に

フクロオオカミは見かけも生態もオオカミに似ているものの、分類上は有袋類に属しています。有袋類というのは未熟な状態の子どもを、育児嚢と呼ばれる袋で育てるグループのこと。つまりカンガルーやウォンバットと同じ仲間なのです。

オーストラリア一帯で、他地域におけるイヌやオオカミと同じ生態的地位(生態系における位置づけ)を獲得したフクロオオカミは、夜になると狩りに出て、おもにワラビーなどの小動物を捕食していました。そこにおよそ3万年前、人類が移住してきます。おそらくはヒトやディンゴ(ヒトが持ち込んだイヌが野生化したもの)との競争に敗れたフクロオオカミは、タスマニア島を除いてすっかり姿を消しました。

さらに大航海時代に入ると、ヨーロッパからの入植者がタスマニア島にも渡ってきました。するとフクロオオカミは家畜を襲う害獣扱いされ、あげくには懸賞金までかけられ、容赦なく虐殺されてしまいます

1930年に最後の野生個体が射殺され、1936年に動物園で飼育されていた個体が死んだことで、フクロオオカミは絶滅に追い込まれました。その後、目撃報告があったことで保護区が設定され、現在も生存調査が実施されていますが、まだ生存の証拠は得られないままです。

昔はオーストラリア一帯に生息していた

人類がやってくる約3万年前まで、フクロオオカミはオーストラリア一帯に生息していました。獲物はワラビーなどの小動物。夜行性のため、狩りが行われるのはもっぱら夜でした。

人々の恐怖心が虐殺を招いた

タスマニア島にもヒトが移住すると、同時に多くのヒツジや家畜が持ち込まれ、フクロオオカミの餌食となります。人々はフクロオオカミを過剰に恐れ、懸賞金をかけて徹底的に捕獲・虐殺しました。これが絶滅の原因です。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話』監修:今泉忠明

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話』
監修:今泉忠明


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絶滅動物の話!

40億年に及ぶ地球のヒストリー。
その中で繰り返されてきた生き物たちの絶滅。
もはや私たちが出会うことのかなわない彼らのあまりに興味深いエピソードを紹介。

絶滅とは何か。
「弱いから」滅び、「強いから」生き残るわけではない。
なぜ彼らは滅び、また生き残ったのか。

我々人類こそが絶滅の原因だった生き物たちもいる。
発見から30年もたたずに食い尽くされたステラーカイギュウ。
人類が現れるまで無敵だった巨大ナマケモノ、メガテリウム。

あるいは進化の果てに潰えた者たち。
さすがに大きくなりすぎたジャイアントペンギン。
肉食をやめたら生活が合わなかったアルクトテリウム。

環境や競争に敗れた末、絶滅の運命をたどることもある。
たどり着いた最後のすみかが噴火で沈没したオオウミガラス。
クローンで復活するも「2度の絶滅」をしたピレネーアイベックス。

絶滅は過去のできごとではない。
種の断絶が危ぶまれる生き物は、我々が生きるこの世界にも存在する。
トラ、オオサンショウウオ、ヤンバルクイナ、ホッキョクグマといった
絶滅危惧種がそれだ。

絶滅といえばこれ、謎多きニホンオオカミや「最後の1頭」が2012年に死亡したピンタゾウガメも。
触れれば触れるほど知りたくなるもう永遠にいなくなってしまった、いつかはいなくなってしまうかもしれない彼らの物語。
ひょっとすると、人類もいつかは……?

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