【乱獲の連鎖】観光地で名物料理化されて絶滅したグアムのコウモリとは【眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話】

観光地で名物料理化されて絶滅「グアムオオコウモリ」

【グアムオオコウモリ DATA】
分類:哺乳類オオコウモリ科
絶滅時期:1968年 
生息地:グアム島

古くから食用にされていた

 コウモリは哺乳類の翼手目(別名・コウモリ目)に属する動物です。世界中に1500種近くが生息するとされ、主にそのサイズによってオオコウモリ科とコウモリ科に分けられます。とはいえ、オオコウモリ科の中でも種によって大きさはまちまちで、最大種のフィリピンオオコウモリは体長30cm、翼展開が最大1.7m。一方、20世紀半ばに絶滅したグアムオオコウモリは、体長15cmほどしかありません。

 アフリカや東南アジア、南太平洋やインド洋の島々に分布するオオコウモリの仲間は、以前から食料としてなじみがあり、分布域の島々では、今でも多くのコウモリが食べられています。それなりに体が大きく、果実食のため肉に臭みが少ない点が好まれるのでしょう。グアムオオコウモリも、チャモロ人(マリアナ諸島の先住民)が昔から食用としてきました。

 そうして現地人だけで消費しているうちはよかったのですが、戦後グアムが大リゾート地として発展。この地の名物食として知れ渡ったことで、観光用に必要以上の数が狩られ、もともと数の少なかったグアムオオコウモリは、またたく間に絶滅してしまいました。それでも人間の食への執念が衰えることはなく、代わりに別の種のオオコウモリたちが現在も食用のために乱獲され続けています。

観光業の発展が絶滅の引き金に

グアム島は第二次世界大戦中、日本の占領下にありましたが、戦後はアメリカが再占領して軍事拠点とし、現在に至ります。

 グアム島は観光業も活発で、1960年代以降は日本からの観光客が大量に押し寄せました。気の毒にも、そのあおりを受けたのがグアムオオコウモリといえるでしょう。

今も別のコウモリが食用にされている

マリアナ諸島をはじめとする太平洋の島々には、オオコウモリの仲間がたくさん生息しています。グアムオオコウモリが絶滅しても、そうした別の種が乱獲に遭い、今日も観光客の食卓に供されています。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話』監修:今泉忠明

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話』
監修:今泉忠明


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絶滅動物の話!

40億年に及ぶ地球のヒストリー。
その中で繰り返されてきた生き物たちの絶滅。
もはや私たちが出会うことのかなわない彼らのあまりに興味深いエピソードを紹介。

絶滅とは何か。
「弱いから」滅び、「強いから」生き残るわけではない。
なぜ彼らは滅び、また生き残ったのか。

我々人類こそが絶滅の原因だった生き物たちもいる。
発見から30年もたたずに食い尽くされたステラーカイギュウ。
人類が現れるまで無敵だった巨大ナマケモノ、メガテリウム。

あるいは進化の果てに潰えた者たち。
さすがに大きくなりすぎたジャイアントペンギン。
肉食をやめたら生活が合わなかったアルクトテリウム。

環境や競争に敗れた末、絶滅の運命をたどることもある。
たどり着いた最後のすみかが噴火で沈没したオオウミガラス。
クローンで復活するも「2度の絶滅」をしたピレネーアイベックス。

絶滅は過去のできごとではない。
種の断絶が危ぶまれる生き物は、我々が生きるこの世界にも存在する。
トラ、オオサンショウウオ、ヤンバルクイナ、ホッキョクグマといった
絶滅危惧種がそれだ。

絶滅といえばこれ、謎多きニホンオオカミや「最後の1頭」が2012年に死亡したピンタゾウガメも。
触れれば触れるほど知りたくなるもう永遠にいなくなってしまった、いつかはいなくなってしまうかもしれない彼らの物語。
ひょっとすると、人類もいつかは……?

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