島田慎二チェアマンの「B.革新」! ビジネスオペレーションと競技オペレーションの両輪が重要!〈講演会第2回〉
9月24日、東京竹橋のパレスサイドビルでB.LEAGUEの島田慎二チェアマンによる講演会並びに交流会が開かれた。これはB3に所属する「徳島ガンバロウズ」の支援をしている株式会社メディアドゥの社員に向けて行われ、今後「オーナー企業」がどう改革に向かい合っていくのか、島田慎二チェアマンが語る「B.革新」に対して説明がなされた。
(全2回中、2回)
時間を延長して行われる質疑応答
「B.革新」とは経営面を強固にし、クラブ運営を円滑にすることで、バスケに携わる人の未来を安定したものにする、観客の満足度を高めて地域の発展に貢献するということが主軸であった。
この島田慎二チェアマンの思想に、講演会に集まった人たちからは賛同の声が上がり、積極的に質問がなされた。そのひとつひとつに丁寧に答えていく島田慎二チェアマン。
――現在のB2、B3で昇格を目指して戦っているクラブの中で、応援したくなるチームとはどのような特徴があるか?
島田 チームが目指している姿が明確かどうかが大切だと思います。どういうコンセプトか、いわゆるキャラがはっきりしていると、そのチームの伸びしろに期待して、観客が一緒に応援できるのではないでしょうか。
――まだバスケがマイナー競技だった頃、どのような取り組みをしてきたのか?
島田 今のバスケット界の盛り上がりは、近年活動をしている我々の手柄ではありません。もっと前から頑張ってこられた人たちのおかげです。ただ、ここ10年くらいで状況が上向いてきたのは、世間へのプロモーションだったり、クラブ運営だったり、ビジネスに徹した施策を行ってきたからだと思います。バスケの試合自体を盛り上げる競技オペレーションと、ビジネスオペレーション、このふたつは車の両輪のように、共に進めていかなければならないと思います。
競技オペレーションに関しての、これからのチャレンジ
たくさんの質問に答えていただき、予定の時間をオーバーして講演会は熱気の内に終了した。その後は会場を変えて、交流会が催された。島田慎二チェアマンを囲んで講演会同様、バスケ談義に盛り上がる会場。ここでさらに突っ込んだ内容を確認したく、島田慎二チェアマンのとなりの席に異動し、質問を試みた。
――講演会はビジネスオペレーションが主体のお話でした。競技オペレーションについてお伺いしてよろしいでしょうか。各クラブの戦力が拮抗して、優勝するチームの予測がつかないようB.LEAGUEを盛り上げていくという発言もありましたが、具体的にはどのような施策をされるのですか。
島田 本日は経営面における話がメインでしたので、具体的な説明はできませんでしたね。将来的に導入を考えているのがサラリーキャップ制度とドラフト制度です。
――まずサラリーキャップ制度から詳しく教えていただけませんか。
島田 海外のプロスポーツではなじみのある制度ですが、選手に支払う年棒に基準を設けるというものです。年棒全体でいくらまで、と上限を設けることで、資金力に差があるクラブでも選手のレベルが均一になります。また近年、選手の年棒が高騰して経営を圧迫していることへの歯止めにもなると考えています。
――なるほど、ではドラフト制度に関しては?
島田 現在の選手獲得のやり方は各クラブが自由にやっています。そうなると都市部のクラブの方が、早くから有力な選手を勧誘しやすかったり、必然的に戦力差が生じてしまいます。プロ野球のようにドラフト制度を整えることで、クラブ間の戦力均衡が図れると考えております。
講演会が終わり、歓談の場でも丁寧に熱く、バスケの将来を語ってくださる島田慎二チェアマン。世界的にも初の試みとなる「B.革新」は経営面、競技面の両方の視点で考え抜かれており、全国各地のアリーナ建設、各自治体への説明や支援要請など、脚を使っての行動の賜物であることが理解できた。
お忙しい中、講演会、交流会と熱い思いを終始語ってくださった島田慎二チェアマン、ありがとうございました。
これからのB.LEAGUEの盛り上がりに期待すると共に、2024-25シーズンがとても楽しみである。
資料提供・ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ
写真・天野憲仁
文・岩田裕介(ラブすぽ編集部)
公開日:2024.10.01