Bリーグにおける「昇格・降格」のレギュレーション
パリ五輪での日本代表の熱戦、NBAでの八村塁の活躍などによって、「バスケ熱」が高まっている日本。国内プロバスケリーグ、Bリーグも新シーズンが開幕を迎え、元NBA選手・渡邊雄太の千葉ジェッツ加入なども大きな話題となっている。『ラブすぽ』では、そんな今注目のBリーグについて、初心者が観戦するときにぜひ知っておきたいルールをご紹介。ここでは、Bリーグにおける「昇格・降格」のレギュレーションを解説しよう。
Bリーグは現在、B1・B2・B3の3カテゴリのリーグで構成されている。その上で毎シーズン、リーグ内での成績を受けて各カテゴリ間で昇格・降格が行われる。昇降格クラブの数はそれぞれ2クラブ。
B3、B2からはレギュラーシーズン後に行われるプレーオフで上位に入った2クラブがB2、B1に昇格し、B1、B2からはレギュラーシーズンの下位2クラブが下のB2、B3に自動降格する。
昇降格制度には、毎シーズン各クラブによる「競争」を生む、下部カテゴリに所属していても結果を残せば上のカテゴリで戦えるというメリットがある。日本のスポーツ界で言えば、サッカーのJリーグも同様に昇降格制度を採用している。
また、この制度により新規クラブが参入しやすい(企業努力とチームの成績次第でトップカテゴリでのプレーが可能になるため)という側面もある。過去には2021‐23シーズンにB3に新規参入した長崎ヴェルカがわずか2シーズンでB1に昇格したというケースもある。
さらに言えば、優勝の可能性がなくなった下位クラブが、シーズン終盤になっても「降格圏争い」をすることで、事実上の消化試合が少なくなるという点も昇降格制度の大きな利点のひとつだ。
しかし、将来に向けた新ルールが発表された。昇格は昨シーズン同様に各カテゴリから2クラブずつ行われるが、自動降格はなし。これは2026‐27シーズンから行われる「B革新」=新リーグ構想による措置だ。
B革新ではこれまでのB1・B2・B3カテゴリから新たに「B.LEAGUE PREBIER」「B.LEAGUE ONE」「B.LEAGUE NEXT」へと改称。各リーグのレベルをさらに引き上げるとともに、「PREMIER」ではチーム成績による降格を廃止。参戦基準は観客動員数やアリーナの規模、クラブの年間売り上げなどが対象になる。
すでに「PREMIER」のライセンス審査はスタートしており、今シーズンは来るべき新リーグの準備期間ということで、B1からB2、B2からB3への「自動降格」は廃止される。
「降格」がなくなることで、リーグの戦い方にも変化が生まれる可能性はある。たとえば「PREMIER」入りを目指すクラブの中には、レギュラーシーズン中にチャンピオンシップ出場がむずかしくなった場合、新リーグに向けて勝利ではなく「育成」に舵を切るクラブも現れるかもしれない。昨シーズンまでのように昇降格制度がある場合は「降格」を避けるためにシーズン最後まで勝利を目指し続けなければならなかったが、ある意味1シーズンを通して「先を見据えたクラブの強化期間」と割り切るクラブが現れても不思議ではない。
2026‐27シーズンの新リーグ開幕に向け、着々と準備が進められているBリーグ。その戦いは、すでに始まっている。
文・花田雪
公開日:2024.10.03