Bリーグスターガイド② ペリン・ビュフォード
今シーズン、開幕9年目を迎えたBリーグ。今夏行われたパリ五輪での日本代表の奮闘ぶりも記憶に新しく、現在では強豪チームの試合でチケット争奪戦が行われるなど、絶大な人気を誇っている。『ラブすぽ』では「今年からBリーグを見よう!」と考えている読者のために、「この選手は押さえておこう」という、Bリーグのスター選手を厳選してご紹介!
ペリン・ビュフォード
信州ブレイブウォリアーズ
背番号/2
2022‐23シーズン、そして2023‐24シーズンと2年連続でB1得点王に輝いているのがペリン・ビュフォード(信州ブレイブウォリアーズ)だ。島根スサノオマジックでプレーした昨シーズンのスタッツは52試合の出場で1試合平均22.6得点(リーグ1位)、7.4アシスト(リーグ2位)、9.5リバウンド(リーグ9位)、1.8スティール(リーグ6位)、1.3ブロック(リーグ5位)。この数字からも見て取れるように、決して純粋な「点取り屋」というわけではない。4シーズン在籍したB1通算で実に24回のトリプルダブル(※1試合中に得点、アシスト、リバウンドを2ケタ記録すること)を記録している、リーグ屈指のオールラウンダーだ。B1ベストファイブにも2シーズン連続で選出されている。
出身はアメリカの南部・アラバマ州。幼少期は動物を追いかけたり、釣りをするなど、自然の中で伸び伸びと育った。学生時代はアメリカンフットボールもプレーしており、ポジションはクォーターバック。高校進学を機にバスケに専念するようになり、ジョージア大学卒業後はイタリア、オーストラリア、トルコ、プエルトリコ、ロシア、スペインなど世界各国のリーグでプレー。2020‐21シーズンから島根に加入し、日本でプレーを続けている。
最大の魅力は、やはりその万能性。本来は3番(スモールフォワード)がメインポジションだが、1番(ポイントガード)から4番(パワーフォワード)までこなすことができる。スコアラーにも、プレーメイカーにもなることができて、ディフェンス面でも幅広いポジションをこなせる。身長198センチと決して大柄ではないが、昨シーズンの平均1.3ブロックという数字が物語っているように抜群の身体能力で2メートル超えのビッグマンを相手にしても高さでは決して引けを取らない。
コートにいるだけで、局面を変えることができる――。その一方で、コート上では誰よりも闘争心を表に出す強烈な個性も持つ。チームにとってはある意味で「諸刃の剣」。たったひとりでチーム戦術そのものを変えてしまうほどの存在感を持つだけに、コート上の他選手とのコミュニケーション、コンビネーションがより重要になってくる。
迎えた新シーズン、多くのファンを驚かせたのが、ビュフォードの「信州移籍」だ。B1西地区でも強豪として知られる島根を退団し、新天地として選んだのが、今シーズンから1つ下のカテゴリであるB2で戦う信州。B1得点王が翌シーズンにB2クラブへと移籍するのは、異例と言ってもいい。
とはいえ、信州は昨シーズンまでB1に所属したチーム。B2降格となった今シーズンは1年でのB1復帰を目指しており、ビュフォード以外にもパリ五輪代表の渡邉飛勇、元日本代表のアキ・チェンバース、B2でMVPを獲得したこともあるテレンス・ウッドベリーなど、現状でもB1で戦えるレベルの大補強を敢行。
B2という舞台でビュフォードがどれだけのスタッツを残すかはもちろん、超大型補強を成功させた信州の戦いぶりにも期待したい。
文・花田雪
公開日:2024.10.06