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NBAの日本人パイオニア、田臥勇太! その影響力は未だ健在のレジェンド・オブ・レジェンド! 〈Bリーグスター選手ガイド⑨〉【バスケ】

Bリーグスターガイド⑨ 田臥勇太

今シーズン、開幕9年目を迎えたBリーグ。今夏行われたパリ五輪での日本代表の奮闘ぶりも記憶に新しく、現在では強豪チームの試合でチケット争奪戦が行われるなど、絶大な人気を誇っている。そこで『ラブすぽ』では「今年からBリーグを見よう!」と考えている読者のために、「この選手は押さえておこう」という、Bリーグのスター選手を厳選してご紹介する!

田臥勇太
宇都宮ブレックス
背番号:0

2024‐25シーズン、NBAのロサンゼルス・レイカーズで主力を務める八村塁、Bリーグ出身としては初のNBAプレイヤーになった河村勇輝(メンフィス・グリズリーズ)。さらには昨シーズンまでNBAでプレーした渡邉雄太(千葉ジェッツ)など、日本人がNBAでプレーする時代が到来しつつある。かつては「日本人の活躍は不可能」とまで言われた世界最高峰のバスケットボールリーグ・NBAで、その門戸を開いたのが田臥勇太だ。

1980年10月5日生まれの44歳。「大ベテラン」となった今もB1を舞台にプレーする日本バスケ界のレジェンド。高校時代は漫画『スラムダンク』の山王工業のモデルになったと言われる秋田県の名門・能代工業で3年連続インターハイ、国体、ウインターカップの三冠を制覇し、史上初の「9冠」を達成。田臥は1年時からポイントガードとしてチームを牽引し続けた。

高校卒業後は海外留学を経て2002年にスーパーリーグ(当時)のトヨタ自動車アルバルク(現アルバルク東京)に入団。1年目からリーグ新人王に輝く活躍を見せると翌2003年にNBAに挑戦。ダラス・マーベリックスのサマーリーグでのプレーを経てデンバー・ナゲッツと契約するも開幕ロースターには残れず、アメリカ独立リーグでプレー。

そして翌2009年、フェニックス・サンズと契約を結び、開幕戦で日本人史上初となるNBA出場を果たした。結果的にNBAでの出場はこのシーズンの4試合にとどまったが、アメリカでは下部リーグなどで5シーズンをプレー。

そして2008年、能代工業時代の恩師・加藤三彦がヘッドコーチを務めるJBL(当時)のリンク栃木ブレックス(現宇都宮)に移籍し、国内復帰。JBL、NBLでは三度のアシスト王、二度のスティール王、四度のベスト5受賞とリーグを代表する選手としてチームを牽引し続けた。

2016‐17シーズンに開幕したBリーグでもチームのキャプテンとして初代王者に輝くと、同年行われたオールスターにもファン投票で選出。以降も圧倒的な存在感でリーグ屈指の人気選手として今なおプレーを続けている。

最大の特徴は、広い視野から放たれるセンス抜群のパス。基本に忠実なだけでなく、ノールックパスなどトリッキーなプレーも得意とし、173センチと日本人の平均身長とほぼ同じ体格ながらNBAやBリーグで大柄な選手を相手に互角以上のプレーを見せ続けている。

ただ、年齢やコンディションの問題もあり、特に2018‐19シーズン以降はプレータイムが減少傾向にある。ただ、田臥はその「存在感」をオンコートだけでなくオフコートでも存分に発揮。チームには不可欠なメンターとしての役割も果たし、過去二度のBリーグ王者にも貢献している。

宇都宮はB1全体を見渡してもベテランが多いチーム。田臥を筆頭に、竹内公輔、遠藤祐亮、渡邉裕規、ギャビン・エドワーズ、パリ五輪日本代表の比江島慎など30台半ばを迎える選手も多い。そんなチームにおいて「チーム最年長」という立場で選手たちをけん引する田臥の存在は、必要不可欠だ。

比江島は、田臥の存在を「代表では最年長ですけど、チームに戻るとまだまだ『若手』みたいなものなので、ノビノビとプレーさせてもらえる」と語る。

今もコートに立てばアリーナのファンから大歓声で迎えられる田臥勇太。44歳のレジェンドが、今シーズンも宇都宮をけん引する。

文・花田雪

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