Bリーグスターガイド⑯ 田中大貴
開幕9シーズン目を迎えた国内プロバスケットボール・Bリーグ。今やその人気はプロ野球やJリーグといった“メジャースポーツ”にも引けを取らないレベルまで到達し、強豪クラブのチケットは入手困難になるほど。パリ五輪での日本代表の活躍、河村勇輝選手のNBA挑戦など、日本でも“バスケ熱”が高まっている中、『ラブすぽ』ではBリーグでプレーするスター選手をご紹介!
田中大貴
サンロッカーズ渋谷
背番号:13
日本を代表するシューティングガードとして、Bリーグをけん引し続ける田中大貴選手。33歳となった今も第一線で活躍を続け、過去にはシーズンベストファイブを4回、シーズン最優秀選手とファイナルMVPを各1回受賞しています。
長崎西高校時代には1年生から主力としてプレーし、3年間でインターハイに一度、ウィンターカップには3年連続出場。特に3年時のウィンターカップでは同年優勝校の仙台大付属明成高校を相手に32点を奪う活躍を見せ、チームをベスト16へと導きました。
高校卒業後は名門・東海大学に進学し、ここでも1年時から主力として活躍。チームに多くのタイトルをもたらし、4年時には主将を務めました。さらに大学在学中にアーリーエントリー制度を活用し、NBLのトヨタ自動車アルバルク(現アルバルク東京)に入団。卒業後もそのままトヨタに在籍し、1年目にはNBLのルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得しています。
Bリーグ開幕当初はA東京のエースとして、開幕シーズンとなった2016‐17シーズンではチーム2位(日本人トップ)の平均13.2得点をマーク。以降も強豪A東京のエースとして、リーグを代表する選手として活躍。
また、代表での活躍も顕著で大学在学中に初選出されると、チームの得点源として2012年、2014年のアジアカップなど国際大会にも多く出場。2021年に行われた東京五輪にも出場し、この時は本来のポジションとは違うポイントガードとしてもプレーしました。
輝かしい実績を誇る田中選手ですが、大きな転機となったのが昨シーズン。大学在学中から所属していたA東京を退団し、同じく東京を本拠地とするサンロッカーズ渋谷に移籍。ジョシュ・ホーキンソン選手やベンドラメ礼生選手といった現役代表選手とともにチームの得点源としてプレーし、移籍1年目から52試合、1試合平均7.8得点、2.6アシストというスタッツを残しています。
田中選手の最大の魅力は、高い得点力と、それに付随するスター性。3ポイント成功率もコンスタントに40パーセント近くをマークし、それでいてアウトサイドだけでなく、鋭いドライブから得点を奪うこともできる。A東京時代に叩き込まれたシステマチックンバスケに順応する高いバスケIQも兼ね備えており、まさに「何でもできる」タイプのバスケットボールプレイヤーです。
残してきた実績や花のあるプレースタイルから、当然のようにブースターからも高い人気を誇る田中選手。バスケットボールプレイヤーとしてはベテランの域に差し掛かっていますが、衰えぬ得点力と、田中選手にしか醸し出せない「華」で、ブースターたちを沸かせ続けています。
文・花田雪
公開日:2025.01.23