口グセで見える相手の性格
「一応」「とりあえず」「絶対」は要注意
上司でも部下でも、その性格を見抜くことができれば、あなたのペースで何ごともスムーズに進めることができます。相手の性格を知るには、口グセをチェックしてみましょう。口グセにはその人の性格が浮き彫りになっているのです。
自分に自信のない人が連発するのが、「一応」「とりあえず」「絶対」です。部下に仕事の進しん捗ちょくを確認した時に「一応終わりました」「とりあえずやりました」と返事が返ってきたら、それは仕事内容に自信がなく、弱点を隠そうとしている防衛反応です。また「絶対やります!」「絶対うまくいきます!」といった発言も、自信のなさの裏返し。できないと思われたくない、頼りにならないと思われたくないという心理から自分を大きく見せようとして「絶対」と言ってしまうのです。
「こんなこと言いたくないんだけど」と前置きしてからミスを指摘してくる上司はいませんか? 非常に感じの悪いひと言ですが、言葉の裏にはやはり「本当は自分はいい上司。ミスの指摘なんかしたくないのに、部下がダメだから言わざるをえないんだ」という本音が隠れています。また、「キミのためを思って言うんだけどね」というセリフもできない上司が使いがち。「キミのためを思って言うんだけど、その服装は我が社にはふさわしくない」などと言われた時の本音は、「自分の言うことを聞いて服装を変えろ!」という傲慢なもの。自分の価値観を押しつけたいけれど、そういうわけにもいかないので、部下を心配している雰囲気を出して「キミのために」と言っているのです。信用できない上司と思って間違いないでしょう。
人の話に聞く耳を持たない口グセ
ミーティング中に、人の発言を遮って「要するにさあ……」と発言する人がいます。みんなの意見をまとめているように見えて、実は、自分の考えを押し通したいという強引さや、優位に立ちたい、この場を仕切りたいというわがままな気持ちが表れています。「そうじゃなくて」などと周りが反発すると怒りモードに入る可能性があるので要注意。真剣に受け止めず、さらりと受け流すほうが正解です。
また、ことあるごとに「そんなの常識だ!」と連発する人もやっかいです。いわれたほうはつい、自分は常識知らずなのかと思ってしまいますが、その逆です。「常識だ」と発言する人には、自分の考え方や価値観、やり方を他人に押しつけたいという本音があり、優位な立場に立ちたいという願望があります。みんなはどう考えているのか、一般的にはどうするのかといった広い視野を持たず、自分が正しいと思い込んでしまっているのです。「要するに」も「常識だ」も、言葉の裏にはまったく反対の本音が隠れていると思って、その人の性格を見抜きましょう。
言葉の裏にある本音からダメさを見抜く
こんな口グセの人会社にいたら要注意
「こんなこと言いたくないんだけど」
→ 好感度のいい人と思われていたいという気持ちの裏返し。
「本題に入る前に」
→ 前置きが長い場合は本題に入りたくない、聞いてほしくない証。
「ちょっといいかな」
→ 「フット・イン・ザ・ドア」テクニックによるもの。大事を頼まれる予兆かも。
「キミのためを思って」
→「私のためにそうしてくれ」の押しつけがましさを軽減したい心の表れ。
「みんな、言っているよ」
→ 言っているのは本人だけ。自分を悪く思われたくなくて責任転嫁している。
「よくも悪くも」
→ 便利な言葉で自分への責任を逃れようとしている。
【出典】『相手の心が9割わかる 大人のブラック心理学』著:渋谷昌三
【書誌情報】
『相手の心が9割わかる 大人のブラック心理学』
著:渋谷昌三
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公開日:2024.12.25