飼い主にマウンティングをしたら絶対に許さないこと
犬が何かにしがみつき、腰を振ることがあります。これはマウンティングという行動で、犬の場合はオスメスの区別なくします。あまり品のよいしぐさではありませんが、他の犬やぬいぐるみに対してする場合、問題行動とはいえません。
腰を動かすことから性行動を想像しますが、マウンティングは地位を確認するためにするもので、本来は優位な犬が下位の犬に対してします。このように地位を明確にすることによって、無駄なケンカを避けようとしているのです。
ぬいぐるみに対してマウンティングをするのも、「オレのほうが地位が上だからな」という意思表示。見ばえはあまりよくありませんが、認めてやってもいいので、叱りつける必要はありません。
しかし、飼い主の腕や脚にしがみついてこのマウンティングをしたときには絶対に許してはいけません。なぜなら、犬が「飼い主よりも自分のほうが地位が上」と主張しているからです。
これを許してしまうと、無駄吠え、飼い主に対してかみつく、命令に服従しないなどの問題行動を起こすようになりますから注意してください。
マウンティングをしそうになったときは、無言のまま犬から離れ、無視してやりましょう。「コラ!」「ダメ!」という叱りつけは犬を興奮させることになるため、無言でするのがベストです。無視は十分ほどすればOKです。そのあとはふだんどおりに接すれば、犬は「ご主人様のほうが上だ」と悟ります。
飼い主の指示や命令をあまりきかない犬には、こちらからマウンティングをしてやりましょう。うずくまっているときに腰を押さえたり、一緒に遊んでいるときに覆いかぶさって、「私のほうが格上だ」ということを伝えるのです。
出典:『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』監修/藤井聡
【書誌情報】
『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』
監修: 藤井 聡
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公開日:2021.12.21