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エサを採るためにカラスが行うコミュニケーションとは?【カラスの話】

会話はしませんが、コミュニケーションはとってます

「カア」と言えば誰かわかると書きましたが、その前に1羽が「カア、カア、カア、カア」と鳴き続けることがあります。これはおそらくフードコールと呼ばれるもので、「エサがあるから集まれ」という信号です。そうやって集まったカラスたちが「カア」「カア」と鳴くのは、「自分がいるよ」「私もいるよ」とお互いに知らせ合っているのでしょう。安全にエサを採るためには群れが大きいほうがいいはずです。一方、自分より強い奴があまりにたくさんいるとエサを食べられないので、誰がいるかも重要なのでしょう。

それ以外にも、ハシブトガラスが高いところに止まりながら翼を持ち上げて「カーカ〜カ〜」と妙な節を付けて鳴いていたら、「自分はここに移動したよ」という意味だと考えられています。オスがペアのメスにエサを受け渡すときは「かららら… ころろ…」と、うがいのような声を出しますし、巣で卵を抱いているメスのところにエサを持ってきたときは「オッアッ」という特有の声でメスを呼び出すこともあります。とはいえ、すべての声が人間の言語のように単語と文法に則しているというわけではないでしょう。信号を送り合っているのは確かだと思いますが、「お話している」とまでは言えないでしょうね。もっとも、最近の研究で鳥の警けい戒かい声せいは組み合わせによって意味が変わることがわかっています。カラスの音声も、いずれもう少しわかるようになるかもしれません。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』
著: 松原始

「カラスはなぜ怖いのか?」がわかる本!黒い羽を虹色に輝かせ、時に人を威嚇し、悠然と街を歩く。不吉なシンボルとされる一方、賢さで知られる彼らの生態や魅力を面白く伝える1冊です。「カラスはほんとは怖くない!? 」「 読めばよむほど、好きになる!?」

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