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襲いたくて襲っていない!カラスが人間を襲う本当の理由とは?【カラスの話】

襲いたくて襲ってません!

カラスは人を襲う。これが常識みたいになったのはいつからでしょう。おそらく、1990年代後半から2000年代初頭にかけて、「カラス問題」がマスコミで取り上げられ、「凶暴化したカラスが通行人を襲う!」みたいなニュースが繰り返し流れたからではないか、と疑っています。それまでは「カラスが人を襲う」というのは、社会的常識扱いではなかったように思うのです。

カラスが人を攻撃することはありますが、それはヒナを守るためです。特に5月から6月、ヒナが巣立つころに発生します。巣立ち直後のヒナは飛ぶのが下手なので地面近く、ときには地上に落ちています。そこに人間が近づくと、親はヒナを守ろうとして人間を攻撃することがあります。それ以外の場合、例えばゴミを漁っているカラスに近づいたとしても攻撃される恐れはありません。苛立ってガラガラ鳴くことはあるかもしれませんが、そのために体を張って攻撃するほどではないからです。攻撃は、「反撃されて死ぬかもしれない」という危険と背中合わせです。

カラスの体重は1キロもありません。人間のほうがはるかに大きく、カラスは人間を怖がっている、ということは忘れないでください。人間がカラスを見ながら近づけば必ず逃げます。電線に止まっているカラスも、人が近づくと警戒してチラチラ見ています。通り過ぎながらサッと見上げると、慌てて足を踏み外したりします。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』
著: 松原始

「カラスはなぜ怖いのか?」がわかる本!黒い羽を虹色に輝かせ、時に人を威嚇し、悠然と街を歩く。不吉なシンボルとされる方、賢さで知られる彼らの生態や魅力を面白く伝える1冊です。「カラスはほんとは怖くない!? 」「 読めばよむほど、好きになる!?」

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