お通じがいいだけで、空爆なんてしません
私が今の職場に勤めるため、面接に行った朝です。駅を降りて歩き出そうとした瞬間、肩に何かがペチャッと落ちてきました。頭上の電線には1羽のカラス。「朝からウンのいいことだ」と思うことにしました。こんなふうに、カラスの糞が命中することは確かにあります。ですが、別に人を狙っているわけではありません。第一に、鳥は頻繁に糞をしています。代謝が早いこと、体を軽くするためにしょっちゅう排泄することが理由です。そして、糞を落とした下がどうなっているか、気にしている様子はありません。
ただ、カラスはしばしば電線や看板に止まっていて、その下は歩道であることが多いので、人間がカラスの「爆撃エリア」を歩くことになります。さらに、鳥は飛び立つ寸前、あるいは直後に糞をすることがけっこうあります。飛ぶ前に軽くしたい、あるいは飛び立つために力を入れたせいで、でしょうか。また、カラスほど大きな鳥でも、人が近づくと警戒して飛び立つことがよくあります。その結果、人間の周りに糞が落ちる確率が上がる、ということはあるでしょう。ということで、別にあなたを狙っているというわけではありません。カラスを研究しているとカラスに近づいたり、威嚇されたりすることも多いのですが、意外と糞には当たりません。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』
著: 松原始
「カラスはなぜ怖いのか?」がわかる本!黒い羽を虹色に輝かせ、時に人を威嚇し、悠然と街を歩く。不吉なシンボルとされる方、賢さで知られる彼らの生態や魅力を面白く伝える1冊です。「カラスはほんとは怖くない!? 」「 読めばよむほど、好きになる!?」
公開日:2021.05.20